こんにちは、DC山岳部ちか(@dc_mountain)です。
秋シーズンの登山は、ひんやりと澄んだ空の下できれいな紅葉を快適に楽しめる、ベストな環境がそろっています。秋の訪れとともに、近場の山から登山を始めてみようかな…と思っている人は多いのではないでしょうか。
そんな時に、頭を悩ませるのが登山の服装・装備です。
どんな登山装備を準備すれば良いのか、どんな服装を選んだら良いのかという悩みは、登山初心者が毎回直面する問題です。
今回は、秋の登山の服装をどのように準備すれば良いかわからない初心者向けに、秋登山の服装の基本・選び方から、私の手持ちのアイテムを使いながらコーデ例を紹介します。
登山ブランドのウエアだけでなく、コスパの良いスポーツウエアやユニクロのアイテムでも代用できますので、ぜひ参考にしてください!
登山の服装の基本はレイヤリング(重ね着)
登山の服装は、レイヤリング(重ね着)が基本。こまめに脱ぎ着することで体温調整します。
- ベースレイヤー
吸収速乾性のある素材の半袖・長袖が基本。肌を常にドライな状態に保つ役割。 - ミドルレイヤー
ベースレイヤーの上に重ねる中間着・保温着。薄手のフリースやダウンなど。 - アウター
一番上に着て、雨・風を防ぐ。レインウェアやウィンドシェルなど。
登山の運動量は多いので、少しでも横着して「暑いけど我慢しよう」と歩いていると、すぐに汗をかいて服が濡れてしまいます。
服が濡れると体の体温を奪いますので、どんどん体が冷えていきます。
登山では、体の体温が下がると低体温症になるリスクがあり(特に、標高の高いところや、強風下を歩いている時など)、最悪動けなくなり命の危険が生じます。
低体温症までいかなくても、寒くて風邪を引いたり、快適な登山から遠のいてしまいます。
登山の服装は、レイヤリング(重ね着)して、こまめに脱ぎ着をしながら体温調節することが大きなポイントです!
ベースレイヤー
ベースレイヤーとは、直接肌に触れるものなので、素材選びが一番のポイントです!
肌を常にドライな状態に保ってくれる、吸収速乾素材が基本です。具体的には、「化繊(ポリエステルなど)」や、「ウール(メリノウールなど)」がベースレイヤーに適しています。
登山用品店では、吸収速乾素材のベースレイヤーが山ほど売られていますが、お家にあるポリエステル素材のTシャツ・ジャージ・スポーツウェア(ランニングウェア)などで代用可能です。
ユニクロのエアリズムなども、基本的に化繊素材(ポリエステル)なので、登山に適していますよ!
▼ベースレイヤーについて深掘り記事はこちら
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは、ベースレイヤーの上に着る「中間着」または「保温着」のことです。
秋シーズンは、ひんやり涼しくなってくる季節ですので、保温着としてミドルレイヤーの用意が必要です。
ミドルレイヤーは、ただ保温性が重視されるだけでなく、ベースレイヤーが吸収した汗を逃す役割もあるので「発汗性」が大事です。また、重ね着するので、厚手のものより重ね着のしやすい薄手のフリース・ダウンが向いています。
発汗性のある中間着を選ぶ時には、フリースなどはアウトドア用品店で買うのがベストですが、登山初心者のころはユニクロのコンパクトになる薄手ダウンで代用することが多いです。
アウター(レインウェア)
アウターは、一番上に羽織って雨・風から防ぐ役割を担います。
いろいろな種類がありますが、登山初心者のうちは、まず始めにレインウェアを用意しましょう。
登山の一番の脅威が「体が濡れて体温が下がること」ですが、体を冷やす原因となる雨・風を防ぐレインウェアの役割は需要です。
登山初心者がレインウェアを選ぶ時には、ゴアテックス素材のセパレートタイプがおすすめです。それ以外の素材だと、透湿性がイマイチな場合が多く、汗抜けが悪いので、雨に濡れなくても汗で体がびしょびしょになります(本末転倒…泣)
一番のおすすめは、モンベルのストームクルーザーで、登山初心者の夫にも迷わずこれを購入しました。
いろいろ調べて決めたいという人は、下の記事で解説していますので要チェックです。
ゴアテックス素材以外を選ぶ場合には、耐水圧20,000mm以上、透湿性10,000g/㎡/24h以上が目安です。
秋シーズン登山の服装・コーデ例を紹介
では、秋山登山のコーデを、手持ちの服を使いながらポイントを見ていきましょう。
おそらく、登山初心者のうちは低山登山が中心になると思いますが、もし高山登山する場合(3,000m級のアルプスなど)には、10月に入ると積雪があり冬山装備が必要になることもありますので注意してください。
ベースレイヤーは長袖を
秋シーズン(9月中旬〜11月頃まで)の山では、気温が下りますので、基本的にベースレイヤーは長袖を選びましょう。
特に、保温性のあるウール素材(特にメリノウール )をおすすめします。
ウール(特にメリノウール)は、体温・湿度を一定に保つ力に優れています。その反面、速乾性は化繊素材(ポリエステル)に比べて高くはありません。
吸収速乾素材のポリエステルなどは、汗・水分を速乾する代わりに熱も一緒に逃してしまう性質がありますが、ウールは水分を繊維内にためこみ徐々に水分・熱を排出するため、一定の温度・湿度を保つことができるのです。
肌寒くなる秋シーズンには、ウール素材、その中でも品質の高いメリノウールがおすすめです!
ミドルレイヤーで防寒!
秋シーズンの登山では、ミドルレイヤーを防寒着として必ず用意しましょう。
基本的には、薄手のフリース・ダウンが防寒着として使われていますが、持っていなければ保温性の高い山シャツ・パーカーなどで代用もできます。
一番人気の登山用フリースは、パタゴニアのRシリーズです。私自身も、もう10年ほど愛用していますが、まだ買い換えが必要ないくらい頑丈で快適です!
行動着として大人気!R1フリース
防寒対策にはR1エアがおすすめ
ストレッチ素材のある長ズボン
秋シーズンには、動きやすいストレッチ素材の長ズボンがおすすめです。
その中でも、登山好きの定番とも呼べるノースフェイスの「アルパインライトパンツ」は、一つ持っていると私服でも使えるほど形がオシャレなのでぜひ試してみてください!
ストレッチも効いていて動きやすいので、登山はもちろん、キャンプでも毎回コレを履いています。周りの登山好きも、みんなアルパインライトパンツを持っています(笑)
私も色違いでもう1着ほしい!買って損はないですよ〜!
秋シーズンの登山で便利なアイテム紹介
最後に、秋シーズンの登山で便利なアイテムを紹介します。
汗冷えにはドライレイヤー
近年、ベースレイヤーの下に、ドライ系のアンダーウェア(ドライレイヤー)を重ねるのが普通になってきました。
いくら速乾性のあるベースレイヤーを使っていても、休憩で立ち止まった時などに「汗冷え」を実感することがあります。特に、秋・冬シーズンは、気温が下がるので「汗冷え」を感じやすいです。
そんな時にドライレイヤーを使うと、肌の上の汗を素早くベースレイヤーに移動させる役割りがあるので、汗冷えを防いでくれて便利です。
肌に触れることで効果があるので、ぴったりサイズがおすすめです!
ミレーのドライレイヤー
ファイントラックのドライレイヤー
▼ドライレイヤーのレビューはこちら
サングラスも必須アイテム!
サングラスもお忘れなく!地上よりも紫外線が強いので、必須アイテムです。
アウトドア用ってどれが良いかわからない…という人も多いかと思いますが、私はノースフェイス店舗で販売されているサンスキーというブランドが好きです。
ネットでも販売されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ネックゲーターが便利
首元にネックゲーターをしておくと、紫外線対策にもなりますし、登山中マスクなしで人とすれ違う時にマスク代わりとして活用できます。
首元って日焼け対策しにくいので、私は一年中ネックゲーターでガードしています。
似合う形の帽子を見つけよう!
コーディネートの最後は、似合う形の帽子を見つけて、登山へのモチベーションを上げましょう。
登山の帽子のかたちは、大きく分けてハット型とキャップ型に別れますが、それぞれ似合う・似合わないがありますので、両方試して見ることをオススメします。
以下の記事で、それぞれの型のメリット・デメリットも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
タイツで防寒も!
登山用の機能系タイツには、さまざまな役割がありますが、秋シーズンの防寒にも役に立ちます。
以下の記事で、タイツの選び方について解説していますので、チェックしてみてください。
秋は熊対策も忘れずに
秋シーズンは、熊が冬眠前のエサを求めて活発化しますので、熊対策グッズも忘れずにご用意ください。特に熊の好物であるブナの実が不作だと、動き回る範囲が広くなります。
2023年は熊の人的被害が増えていますので、熊鈴・熊スプレーの持参をご検討ください。
▼以下の記事で詳しく書いています。
まとめ:秋のベストシーズンに登山を始めよう!
秋は登山を始めるのにベストなシーズンです!
日本の山には、紅葉の素晴らしいスポットがたくさんありますよ。
大事なことは「体を濡らさないこと」「体の体温を下げないこと」なので、ぜひ安全・快適に登山するためにレイヤリング(重ね着)を意識してみてください。
まずは、自分の持っているスポーツウェアやユニクロなどを活用しながら、少しずつ登山ウェアや装備をそろえていきましょう。
▼日帰り登山の装備について
▼山小屋泊時の装備について
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