こんにちは、DC山岳部ちか(@dc_mountain)です。
もうそろそろ雪が溶けてアルプス登山の季節がはじまります。今年こそ北アルプスデビューしようと計画を立てている人も多いのではないでしょうか。
登山初心者で近場の低山で経験を積んだ人であれば、北アルプスのハードルもそこまで高くはありません。まずは、初心者向けの山から登り、徐々にステップアップしていきましょう!
この記事では、北アルプスデビューにおすすめの山・登山コースをまとめて紹介します。実際に登っている山は、個別に詳しく記事を書いているのでぜひ参考にしてください。
【北アルプス初心者向け】おすすめの山・登山コースまとめ
早速、北アルプスの初心者向け登山コースをまとめて紹介します。随時、追加があったら更新していく予定です。
唐松岳(2,696m)|八方池から往復コース
後立山連峰の一部で白馬村に面する「唐松岳」は、夏にもスキーで使用しているゴンドラ・リフトを使用できるので、白馬村から八方山荘(標高1,800m付近)まで気軽にアクセスできるところが魅力。
人工の力で標高を稼げるので、はじめての北アルプスにぴったりの山です。
唐松岳山頂の稜線には「唐松岳山頂山荘」があり、日帰りでも登れる山ですが、ぜひ1泊して北アルプスならではの高山の絶景を堪能してほしいです。こんなに手軽に登れて、北アルプスの稜線にある山小屋に泊まれるのは唐松岳ぐらいです。
八方池山荘から八方池の第三ケルンまでは遊歩道を通って観光の延長で楽しめるので、シーズンにはかなりの賑わいを見せます。第三ケルンからは登山コースになるので「登山計画書」の提出が必要になります。
八方池山荘(1830m)から唐松岳山頂(2696m)までの標高差は866mで、標準コースタイムは約4時間20分。
丹沢山域の塔ノ岳や、奥多摩の雲取山などと比べるとずっと楽ですね。
モデルコースの詳細
- コース概要:
1日目:八方池山荘から唐松岳山頂経由、唐松岳山頂山荘宿泊
2日目:唐松岳山頂山荘から八方池山荘 - 公式コースタイム:1日目:4時間35分 2日目:3時間
- 累積標高差:上り(約953m)/下り(約953m)
- 総距離:約10.4km
▼白馬の地図
白馬八方へのアクセス
車の場合は、上信越線「長野IC」から八方駅前の有料駐車場・周辺の公共無料駐車場に停めることができる。公共交通機関の場合は以下のような方法がある。
- JR大糸線「白馬駅」→アルピコ交通バス(約5分)「白馬八方バスターミナル」→徒歩(約10分)
- JR北陸新幹線「長野駅」→アルピコ交通バス(約1時間15分)「白馬八方バスターミナル」→徒歩(約10分)
- 東京・大阪方面から直行バス「さわやか信州号」で「白馬八方バスターミナル」→徒歩(約10分)
白馬駅や長野駅までは格安バスも運行しています。高速バスの予約は楽天トラベルが便利です!
【楽天トラベル 高速バス予約】燕岳(2,763m)|中房温泉から往復コース
燕岳は、北アルプスの常念山脈北部に位置し、アルプスを代表する絶景縦走コース「表銀座縦走コース」の起点となる山です。山頂付近は花崗岩におおわれていて、白く美しい山容から「北アルプスの女王」と呼ばれています。
山頂からの景色は北アルプスの主要な山を望む感動の絶景、一度登ったら病みつきになってしまいます。私自身がはじめて登った山が「燕岳」で、それから見事に登山にハマりました。
シーズンには、白い花崗岩の砂地にピンクのコマクサが彩る様子や、見どころの一つ「イルカ岩」もかわいらしいです。
登山口の中房温泉からはひたすら登りが続き「アルプス三大急登の一つ」とも言われていますが、山頂までの距離が5.5kmと短いので初心者にもおすすめです!
燕岳は日帰りでも登れますが、やはり山頂に続く稜線上にある「燕山荘」に宿泊がおすすめ。燕山荘はなんとケーキバイキングやっています。サービスも素晴らしく、宿泊したい山小屋一位に選ばれたこともあります。
登山口から登り始めて4時間の標高約2,350m地点に「合戦小屋」があり、夏場には冷えた「スイカ」が食べられることで有名です。ぜひ休憩して、燕山荘まではあと90分です!
▼燕岳の詳しい記事はこちら
モデルコース詳細
- コース概要:
- 1日目:中房温泉登山口→合戦小屋→燕山荘
- 2日目:燕山荘→燕岳山頂→燕山荘→合戦小屋→中房温泉登山口
- 公式コースタイム:1日目:4時間5分 2日目:3時間35分
- 累積標高差:上り(約1430m)/下り(約1430m)
- 総距離:約12.3km
▼燕岳の地図
中房温泉登山口アクセス
車の場合は、長野道安曇野IC→登山者専用駐車場→徒歩(15分)→中房温泉・燕岳登山口
公共交通機関の場合、JR大糸線「穂高駅」→乗合バス(約1時間)→中房温泉・燕岳登山口
高速バスの場合は、新宿から松本バスターミナル→JR大糸線「松本駅」→「穂高駅」→乗合バス(約1時間)→中房温泉・燕岳登山口
直通バスは「毎日アルペン号」「さわやか信州号」など運行あり。
格安高速バスで松本駅まで行く方法もあります「楽天トラベルおすすめ:出発地:東京 到着地:長野県で検索後、松本・浅間温泉・塩尻で絞り込み検索すると出てきます」
蝶ヶ岳(2,677m):三俣から往復コース
蝶ヶ岳は、常念山脈の一部で穏やかな山容が特徴。雪解けの春シーズンになると、三腹に現れる雪形が「蝶の形」に見えることがら「蝶ヶ岳」と呼ばれるようになったそうです。
蝶ヶ岳の一番の魅力は、槍ヶ岳をはじめ穂高連峰を正面に望む絶好の立地で、朝早くには穂高連峰方面が赤く照らされる「モルゲンロート」を見ることができます。一度見たら、忘れられない絶景です!
蝶ヶ岳の山頂直下には「蝶ヶ岳ヒュッテ」があるので、やはり日帰りできる山ではありますが1泊するのがおすすめ。山の上の稜線でゆっくり滞在して、素晴らしい景色を楽しみましょう。
登山口は、安曇野側方面・上高地側方面とありますが、初心者が一番歩きやすいコースは安曇野方面の「三俣」からです。ただし公共交通機関ではアクセスしにくいので、車利用の人におすすめです。
公共交通機関利用の人は、上高地から入って「横尾」または「徳沢」から蝶ヶ岳に登ることができます。
▼三俣から蝶ヶ岳登りました(その後は常念岳まで縦走しています)
モデルコース詳細
- コース概要:
- 1日目:三俣登山口→蝶ヶ岳→蝶ヶ岳ヒュッテ
- 2日目:蝶ヶ岳ヒュッテ→三俣登山口
- 公式コースタイム:1日目:5時間15分 2日目:3時間30分
- 累積標高差:上り(約1334m)/下り(約1334m)
- 総距離:約9.3km
▼蝶ヶ岳の登山地図
三俣登山口アクセス
三俣登山口までは、長野道の安曇野IC→鳥川林道(約18km)→三俣林道ゲート駐車場→徒歩(15分)→三俣登山口
公共交通機関だと「毎日アルペン号」が運行しているようです。
または、JR大糸線「豊科駅」からタクシーで35分(約6000円)です。
立山・雄山(3,003m)|室堂から往復コース
立山連峰の抜群の知名度を誇る「雄山(3,003m)」は、立山黒部アルペンルートで「室堂(2,433m)」までアクセスすることで比較的簡単に登れる北アルプスの3000m峰です。
立山という名前をよく耳にしますが、立山とは実は3つの山(雄山・大汝山・富士ノ折立)の総称。しかし一般的に立山を登るとは「雄山」のことを指します。もちろん、3つの山全て縦走することも可能です。
室堂の時点ですでに立山連峰の絶景に感動しますが、雄山山頂まで登ると北アルプスを一望するパノラマが広がります。北アルプスだけでなく遠くには南アルプス・八ヶ岳・富士山まで見えることも!
立山黒部アルペンルートは観光ルートなのでアクセスには時間がかかります。なので室堂で一泊して、体を高所に慣らせてから翌日に立山・雄山の山頂アタックをおすすめします。
室堂周辺は遊歩道になっていて歩きやすいですが、一ノ越から山頂までは急斜面に大きな岩がゴロゴロあるガレ場なので、風が強い日や雨の日などは特に注意して登ってください(滑落事故も起きています)!
▼立山の3つの山(雄山・大汝山・富士ノ折立)を登った時のブログはこちら
モデルコース詳細
- コース概要:
1日目:室堂周辺散策
2日目:室堂→一ノ越→室堂 - 公式コースタイム:3時間30分
- 累積標高差:上り(約581m)/下り(約577m)
- 総距離:約5.4km
▼立山の地図
室堂ターミナルへのアクセス
室堂へは、2通りの入り方(長野県側と富山県側)があります。
富山県側だと、登山地方鉄道「立山駅」→ケーブルカー「美女平」→立山高原バス(約1時間)→室堂ターミナル
長野県側は「扇沢」→立山黒部アルペンルート(約1時間30分)→室堂ターミナル
車の場合は各起点「立山駅」「扇沢」周辺の駐車場に停めて、立山黒部アルペンルートで入山します。
富山県の起点「立山駅」までは、新幹線や「格安バス」が出ています。
長野県側「扇沢」までもさまざまなアクセスがありますが、
新幹線または格安バスで「松本駅」→JR大糸線「信濃大町駅」→路線バスで「扇沢」にアクセスできます。
▼格安バスの予約は楽天トラベルがおすすめです。
【楽天トラベル 高速バス予約】涸沢カール(2,300m)|上高地から往復コース
涸沢カールは山頂ではありませんが、北アルプスで初心者におすすめする絶景登山コースの一つとして紹介します。秋の紅葉で毎年話題になる涸沢カールですが、穂高連邦の名山に囲まれた日本最大級のカールで「一生に一度は見てみたい景色」として名前が挙げられるほどです。
上高地から横尾山荘付近まではアプローチは長ですが終始なだらかな道が続き、道中には猿が歩いていたり、徳沢の山小屋でグルメを食べたり(アイスクリーム・カレー・手作りピザなどが有名)楽しく歩けます。
横尾山荘を過ぎて本谷橋からは、本格的な登山道へと変わり、道幅が狭くなり落石を心配するようなガレばが続きます。今までの穏やかな道はどこへ?と思うほど急登続きなので、休憩をこまめに取りながら登りたいですね。
涸沢カールに到着したら穂高連峰の高山が出迎えてくれます。日帰りも可能ですが、涸沢ヒュッテや涸沢小屋に宿泊がおすすめ。名物のおでん・ビールを飲んで至福の時を過ごしましょう。
涸沢の山小屋は超人気なので予約確保が難しい場合には、途中の西尾山荘や徳沢園・徳沢ロッジなど、他にも宿泊できる山小屋があります!
▼紅葉シーズンの涸沢登山の記事はこちら
モデルコース詳細
- コース概要:
1日目:上高地→徳沢園→横尾山荘→涸沢カール(涸沢ヒュッテ・涸沢小屋宿泊)
2日目:涸沢カール→横尾山荘→徳沢園→上高地 - 公式コースタイム:約6時間
- 累積標高差:上り(約967m)/下り(約967m)
- 総距離:約31.9km
▼涸沢地図
上高地へのアクセス
上高地までは交通規制がされていて車では入れません。なので車利用の人は「沢渡」のパーキングに車を停めて、アルピコバスでアクセスします。
車利用の場合、長野道「松本IC」→158号線(33km)「沢渡」→アルピコ交通バス(30分)→「上高地バスターミナル」
公共交通機関の場合、JR「松本駅」→アルピコ交通バス(30分)「新島々」→アルピコ交通バス(1時間5分0→「上高地バスターミナル」※松本駅から直通もあります。
新宿バスタから上高地までは、さわやか信州号が毎日直通バスも出しています。
まとめ:次のステップが待っている!
今回は、北アルプス初心者がデビューにまず登りたい山・登山コースをまとめました。他にも「乗鞍岳」などありますが、今回は景色が特に良くて個人的にお気に入りの山を中心に紹介しました。
どれも日帰りで登れる山が多いですが、せっかく訪問したからいはゆっくり山小屋で1泊して、高山ならではの大規模な自然を満喫するのがおすすめです。
また、時間的に余裕を持って計画した方が、焦ることがなく事故も起きにくいです。ぜひ「今年こそ北アルプスに登ろう!」と思っている人は参考にしてください。
あと、中央アルプスの木曽駒ヶ岳などもおすすめなので、また記事にまとめます。
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