こんにちは、DC山岳部ちか(@dc_mountain)です。
登山をはじめて徐々に慣れてきたら、次のステップは山小屋宿泊登山です。北アルプス・南アルプスなど、本格的な山に登るようになったら頻繁にその機会がやってきます。
しかし、はじめての山小屋宿泊はわからないことだらけで緊張してしまう…という人もいるのではないでしょうか。
登山の世界では、暗黙の了解的なルールが数多くあり、山小屋宿泊も例外ではありません。その暗黙のルールを破ってしまうと、山小屋のスタッフから怒られてしまうことも…。
そこで、今回ははじめて山小屋宿泊で失敗しないように、事前に知っておきたい流れやルールを詳しく紹介します。
山小屋宿泊の流れ
まずは、山小屋宿泊の流れを紹介します。しっかりとシュミレーションしておきましょう!
予約(なるべく早く)
まず、山小屋は基本的に予約が必要です(まれに予約不要の山小屋もあります)
ひと昔前までは、登山者の安全確保的な視点から「来るもの拒まず」で予約しなくても宿泊させてくれるのが原則でしたが、昨今では事情がかわってきました。
特に新型コロナウィルスが流行してからは宿泊者数の制限が厳しくなりましたので、必ず予約してから訪問するようにしましょう。
また、人気の山域の山小屋などは、予約開始から何ヶ月後まですぐに予約が埋まってしまうところもあるので、宿泊したい山小屋の予約スケジュールを調べて、早めに計画をしてブッキングを済ませておくことをおすすめします。
到着(14:00-16:00時頃)
登山では早出早着が基本といわれていますが、山小屋には14-15時までに到着するように計画を立てましょう。
私ははじめて山小屋に宿泊したのが燕岳の燕山荘だったのですが、登山口の到着が遅くなってしまい(車酔いで気分が悪くなってしまいました…)出発が午後になってしまいました。
その影響で、燕山荘の到着が17時近くになってしまい、山小屋の人に心配をかけてしまいました…。
夏シーズンの登山で山小屋の到着が遅れてしまうと、特に稜線上にある山小屋などで「雷」が怖いです。
日本では夏は午後に天気が崩れやすくて、いきなり雷雨に遭うことがよくあります。
- 稜線や頂上の山小屋・・・・・・14:00~15:00時
- 中腹や登山口の山小屋・・・・・・15:00~16:00時
※万が一到着が遅くなる場合は、事前に一報入れるようにしましょう(心配されてしまいます)
チェックイン(15:00-16:00時頃)
到着したら、受付でチェックインを済ませます。
基本的には前払いで「現金」のみ受付けなので(クレジットカードはほぼ使えない)、必ず現金を用意しておくしょうにしましょう。
翌日にお弁当などを注文する際にも、チェックインの時に伝えます。
諸々、朝夕食の時間や、注意事項などの説明があり、お部屋に案内されます。
部屋(16:00時頃)
お部屋は、基本的には相部屋です。
ピークシーズンは一畳に2・3人宿泊するようなこともあり…、どうしても無理という人は個室を手配することもできます(料金は高くなります※個室がない山小屋も多い)
寝具は、お布団・枕などそろっていることが多いですが、山小屋は洗濯など頻繁にできないので、衛生的に気になる人は枕カバー(タオル・てぬぐい)やシーツ(インナーシュラフ)を持っていきます。
▼インナーシーツ(ネイチャーハイクの安い!)
また、現在はコロナ流行により、寝袋持参や、シーツ持参の山小屋も増えているので、事前に調べて用意するようにしましょう(シーツが販売されている小屋もあります)
夕食(18:00時頃)
夕食はだいたい18時頃に案内されることが多いです。
混雑する山小屋では2回に分かれていることもあり、前半組・後半組と入れ替えがあるので、なるべく速やかに食事を済ませるようにします。
ごはん・味噌汁はおかわり自由なことが多いです!(もりもり食べてエネルギー補給しましょう!)
山小屋の食事は非常に貴重なもので、ヘリコプターで荷上げされたり、人が背負って運ばれてきたりなど、労力がかかっています。おいしいご飯を食べられることに感謝し、なるべく残さないようにしましょう。
就寝(20:00時頃)
山小屋の夜は早いです。
だいたい20:00-21:00時頃に消灯となることが多いです。
消灯時間を過ぎてからゴソゴソ荷物を整理するのはルール違反なので、消灯前に翌日の準備はしっかりと済ませておくようにしましょう。
また常夜灯がある山小屋も増えていますが、基本的に夜は真っ暗なので枕元にヘッドライトを準備しておきましょう。夜にトイレなど行く時には、ヘッドライトで足元を照らして移動します。
相部屋なので「いびき」がうるさくて眠れないという人も…。アイマスク・耳栓などがあると便利です。
朝食(5:00-6:00時頃)
山小屋の朝も早いです!
だいたい朝5時頃から朝食になることが多く、それよりも早く出発したい場合には、朝食をお弁当に変更することもできます(チェックイン時に伝える必要あり)
チェックイン時に支払いなどを済ませた場合、チェックアウトでは特に何もする必要はありません。山小屋スタッフにお礼を言って、出発しましょう。
山小屋の暗黙のルール(マナー)!
続いて、山小屋の暗黙のルール(施設の使い方)などを紹介します。
お水はとても貴重なので無駄遣いしないように!
山小屋のお水は、とても貴重なので、大事に使うようにしましょう。
基本的には、宿泊者は無料で飲料水を提供されることが多いです(まれに有料のところもあります)
水源の確保を、雨水・雪解け水などに依存している山小屋も多く、天候によっては水不足に陥ることも!その場合には、宿泊者にも飲み水を提供できない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
必要以上に水をじゃぶじゃぶ使ったり、水の出しっ放しにすると、もちろん山小屋スタッフに怒られます!
石鹸・歯磨き粉はNG
山小屋では、基本的に石鹸・歯磨き粉の使用はNGです。
浄水設備がないところがほとんどなので、環境への配慮を考えて、自然界では分解できないような化学物質は使わないのが原則です。
なので、顔を洗うのも水だけで済ませるか、拭き取りタイプのシートを用意しておくと便利です。
歯磨きもすることはかまいませんが、水だけで歯ブラシをして「ガム」や「オーラルケア用品」でさっぱりさせることをおすすめします。
▼歯みがきシートもあり
お風呂・シャワーは基本的にありません
山小屋によっては温泉付きのところもありますが、基本的にはお風呂・シャワーは使えません。
なので「汗拭きシート」などを用意して、体を拭いて対応するのが一般的です。
お風呂に入れないので着替えはどうするの?と思う人も多いと思いますが(相部屋ですし)、男女混合の相部屋の場合はトイレでさっと着替えたり、男性に出て行ってもらって着替えたりします。
ごみは持ち帰り!
ごみは基本的に全て持ち帰りです。
ゴミ箱などが設置さらえていることも少なく、何も知らずに「ゴミ捨ててもらえますか?」などとスタッフに尋ねてしまうと「山の常識を知らないのか!」と怒られてしまうこともありますので注意しましょう。
例外として山小屋の売店で購入したものは、ゴミも引き取ってもらえたりします。
山の上は寒いので「防寒着」は必ず用意!
標高の高い「山の上」は冷えるので(特に夜は夏でも寒いです)、防寒着は必ず持っていくようにしましょう。
夏シーズンなどは寒くても暖房を入れない山小屋がほとんどです。
山小屋があるような山に登る際には「防寒着」は用意していることが常識なので、あまり文句など言わないように気をつけましょう(本当に寒いときは仕方なしですが…)
▼登山用フリースの選び方はこちら
充電は交代交代で(有料のところも)
携帯電話やカメラの充電は、山小屋にコンセントプラグが宿泊者全員分ある訳ではないので、譲り合って使う気持ちが大事です(電気も非常に貴重です)
個人的には山小屋のプラグをあてにするより、自分でモバイルバッテリーを用意していくようにした方が安心できます。
また、山小屋によっては充電NGのところもあるので注意しましょう。
近年では携帯電話などの需要が高まり、宿泊者充電用のスペースを用意している山小屋も増えてきました。
宿泊者無料のところから有料のところまで、山小屋によってルールはさまざまです。
▼おすすめモバイルバッテリーはこちらの記事をどうぞ
濡れたものは乾燥室へ
雨に濡れてしまった場合には、レインウェアやザックカバーなどは玄関前で脱いで、山小屋内が濡れたり汚れたりしないように気を遣う必要があります。
山小屋には乾燥室がありますので、濡れたものは乾燥室でしっかりと乾かして翌日の山行に備えましょう。
まとめ:山小屋へ感謝の気持ちを忘れずに!
事前に知っておいた方が良い、山小屋宿泊の流れや、暗黙のルールを紹介しました。
日帰り登山から一歩レベルアップして山小屋に宿泊するようになると、登れる山の範囲が一気に広がります。
いきなりテント泊山行などをするのはかなり大変なので、まずは山小屋泊登山からチャレンジしてみてください。
山小屋は、寝具などもそろっていますし、食事も提供してくれるので、山の上での素晴らしい景色を少ない労力で体験させてくれる心強い施設です。
あまり愛想のないスタッフも多いですが(下界と比べてしまうと…)、感謝の気持ちを忘れずに過ごしましょう!
▼山小屋宿泊の持ち物について別記事でまとめました!
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