こんにちは、Mountain DC ちか(@dc_mountain)です。
登山をした翌日に体重計に乗ったらびっくり!体重が数キロも増えている!なんて経験をしたことはありませんか?
私はここ半年くらいダイエットをしていたので、毎日朝の決まった時間に体重を測っていました。なので体重の変化にはかなり敏感になっていたのですが…、
登山をして(特に筋肉痛になるほどの登山)帰宅した後、翌日に体重を図ると高確率で体重が1~2キロ程増えているんですよね…。
最初はショックでしたが、数日経つと元に戻ることを知りました。それから「あんなにたくさん動いたのに、何で登山後は体重が増えるのだろう…?」とずっと疑問に思っていました。
いろいろ調べた結果、登山後の体重増加は「むくみ」が原因だという結論に至りました。
では、登山ではなぜ「むくみ」が起こるのでしょうか?今回の記事では、登山で発生する「むくみ」の原因と、その対策・予防法を紹介していきます。
【体重増加!】登山でむくみが起こる3つの原因
登山ではなぜ「むくみ」が起こるのでしょうか?まずは、その原因を探っていきましょう。
脱水によるむくみ
一つ目に考えられる原因が、脱水によるむくみです。
運動量の激しい登山では、大量に水分が汗で失われるため、「これ以上水分を失わないようにしよう!」と体が水分の排出量をセーブします。
これは尿を減少させるホルモン(抗利尿ホルモン)による影響らしいのですが、運動を止めても12時間〜48時間はホルモン分泌が止まらないそうです。
そのため、体内に水分をため込み、「むくみ」が発生してしまうというメカニズムです。
登山後に、数日体重が増えてしまうのも、脱水によるホルモン(抗利尿ホルモン)の影響が大きいと考えられています。
普通に考えたら、運動で大量のカロリーが消費されているのに、いきなり太るわけないですよね。
筋肉の細胞が壊れることによるむくみ
登山の後に筋肉痛になることがあります。筋肉痛は、筋肉の細胞が壊れることによって起こります。
登山では、主に下山時に、足の筋を伸ばしながら歩くため、筋の細胞が壊れてしまうそうです。
筋肉の細胞が壊れると「老廃物」が発生します!
また、登山中にエネルギー(炭水化物)の摂取が足りないと、筋肉がエネルギー源として消費されてしまいます。
消費される過程で、人体に有害な「窒素化合物」が発生するそうです。
これらの、老廃物や有害な「老廃物」と「窒素化合物」は、体内の腎臓で濾過されて尿として排出されますが、
あまりに激しく筋肉を消費して、細胞を壊しすぎると、腎臓の機能が低下して「むくみ」が発生します。
重力によるむくみ
登山中にも、手・足・ふくらはぎを中心に、むくみが発生します。
私のむくみ体質の友人は、山行中に指がソーセージのように膨れ上がり、びっくりした経験があります。
手・足・ふくらはぎのむくみは、重力の影響で、血液やリンパ液などの水分が、体の下の方にたまることから起こります。
特に、長時間の登山の時には、重力の影響を受けやすくなるので要注意です。
むくみ予防・対策の方法を考える
むくみの原因はわかりましたが、どのように予防・対策すれば良いでしょうか?効果的な方法を見つけていきましょう!
こまめに水分補給をする
登山のむくみの原因の一つに、脱水がありました。
脱水を防ぐには、適切な水分量をこまめに補給することが大切です。
以下で、登山中の脱水量が計算できます。
行動中の脱水量(ml)=(体重+荷物の重さkg)×行動時間×5ml
一度に多量の水分を摂取すると尿としてが排出してしまうので、汗で失われていく水分量を補うように、少しずつ水分摂取することがポイントです。
登山で必要な水分量や適切な水分補給方法は、別記事にまとめました。
こまめにエネルギー摂取する
登山では、行動中にものすごい量のカロリーが消費されますので、
適切にエネルギー摂取しないと、糖質・脂肪だけでなく、筋肉がエネルギー源として消費されてしまいます。
筋肉が消費されて毒素が溜まることが、むくみの原因の一つでした。筋肉が消費されないように、炭水化物・糖質中心の行動食をこまめに摂取することが大切です。
行動食は摂取の頻度は、1時間ごとに100~200calの摂取することが望ましいと言われています!
登山中のダイエットは禁止です!!カロリー摂取しないほうが体に大きな負担をかけてしまいます。
詳しくは、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
過度な筋肉痛を防ぐ:トレーニング&歩き方
登山で激しい筋肉痛になると腎臓に負担がかかり、腎臓の機能が衰えることがむくみの原因になるということがわかりました。
重度の筋肉痛にならないように、普段からトレーニングをすることで予防ができます。
基本的に登山で筋肉痛になるということは、脚筋力が不足している場合がほとんどです。特に登山では、下りの衝撃に耐えられる筋力をつける必要があります。
そのためには、高い山に登る前に、近所の低山を歩いておくなど、普段から負荷のかけたトレーニングをしておくことが大切です。
また、脚にかかる負担を減らす歩き方をすることも有効です。斜度のある下りが続くようなコースでは、トレッキンポールを利用して負担を軽減させましょう!
トレッキングポールの必要性については、以下の記事をどうぞ。
着圧タイプのサポートタイツを着用する
血流促進効果のあるサポートタイツを着用するのも効果的です。
特に女性は筋力が少ないので、重力によって体の下の方にたまってしまった水分を、中央に戻す力が弱い傾向があります。
そこに圧力をかけて、血流促進してくれるのが着圧タイプのサポートタイツです。
私は山小屋に宿泊する時には、むくみ対策として夜にサポートタイツを着用して寝ていますが、翌日に足がすっきりするのでおすすめです。
登山後に、早くむくみを解消したい時にも使えます!
▼登山用タイツの選び方は、以下の記事をどうぞ。
足を心臓よりも高い位置に上げて寝る
夜寝る時に、足を高い位置に上げるようにすると、重力で下の方にたまった水分を中央部に戻せるのでむくみを軽減することができます。
ゴキブリ体操って知っていますか?私は知らなくて、旅行業の添乗中にお客さんから教えてもらったのですが、一時期流行ったそうですね。
仰向けに寝て、両手足を高くあげてブラブラさせる「ゴキブリ体操」は、むくみ取りに非常に効果的です!
ストレッチをする
登山で凝り固まった血流を流すためにも、下山後は整理体操や、ストレッチをすると効果的です。
リンパの流れを良くして筋肉疲労を軽減することができますよ。
温泉に入った後などに、ストレッチをして体を伸ばすと気持ち良いですよね!翌日に疲労を残さないためにも、ストレッチはおすすめです。
私のオススメのストレッチ動画貼っておきます。お風呂後に毎日やっています。
まとめ
下山後に、「体重が増えた〜!」という人は、それだけ体に負担がかかっている証拠です。
登山では、体にかかる負担が大きいからこそ、きちんと対策やケアをしたいですね。
むくみ対策として、適切な水分摂取やエネルギー補給など、基本的なことを理解する必要性を実感しました。登山に行く頻度を上げることで、体力・筋力をつけることも、快適な登山をするためには大事ですね!
できるだけ体への負担を減らして「むくみ」を軽減し、安全に登山を楽しみましょう!
参考にした本
鹿屋体育大学の山本 正嘉教授による、「登山の運動生理学」に関する研究がわかりやすくまとめられた本。
分厚い本ですが、科学的なデータに基づいているので説得力があり、非常に参考になりました!
登山で「むくみ」「筋肉痛」「ダイエット」「膝痛」など、体の悩みがある人におすすめです。
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