こんにちは、MoutainDCちか(@dc_mountain)です。
登山初心者向けに服装に関してまとめた記事をたくさんの人が読んでくれているので、今回は地味だけれど一番重要だと言える「ベースレイヤー」について詳しくまとめて紹介します。
登山を始めたばかりの頃は「ベースレイヤーとは?」って感じだったので、その重要性も全く理解しておらず、コットン素材のTシャツを着て汗だくになって歩いているようなこともありました…。
登山の経験を積み重ねて気づいたことは、ベースレイヤーの素材を意識するだけで登山の快適性・安全性が格段に上がるということ。服装の中で一番重要なアイテムなのでは…と感じるまでになりました。
今回は、近年様々な素材が注目されつつある登山のベースレイヤー素材について解説の上、登る山の標高や季節によってどんな使い分けをしたら良いのか分かりやすく紹介します。
登山におけるベースレイヤーの役割とは?
登山の服装はレイヤリングが基本です。
以下のように①ベースレイヤー ②ミドルレイヤー ③アウターのように重ね着をし、こまめに脱ぎ着をしながら体温調整します。登山のような運動量が多いスポーツでも、汗をかかずに快適に行動できるようにするためです。
- ベースレイヤー
吸収素速乾性のある素材の半袖・長袖。肌をドライに保ち体温を維持する役割。 - ミドルレイヤー
ベースレイヤーの上に重ねる行動着・保温着。薄手のフリースやダウンなど。 - アウター
雨と風を防ぐレインウエアやシェル。
今回詳しく深掘りするベースレイヤーは、直接肌に触れるもので、汗・水をすぐに吸収して速乾してくれる素材、または、体温を一定に維持する素材であることが基本です。
登山は運動量が多いので、レイヤリングで着脱を繰り返しても、どうしても行動中(特に登っている時)には汗をかいてしまうことがあります。しかし、いざ休憩をしようと立ち止まると、すぐに汗が冷えて寒くなってしまう「汗冷え」を引き起こします。
なんだ「ただの汗冷えか」と思うかもしれませんが、標高の高い山の稜線上などでは、風に煽られてさらに体温が低下し、ゆくゆくは「低体温症」で動けなくなってしまう事態にまで発展するので油断できません。
実際に登山中に低体温症が原因で亡くなってしまう人は後を絶ちません(特に悪天候時には要注意です)
登山では低体温症を起こすと命の危険に陥る可能性まであるので、「ベースレイヤー」の素材には十分に気を遣う必要があるのです。
ベースレイヤーに最適な素材を理解しよう!
登山用のベースレイヤーに最適な素材は、以下の3つのパターンがあります。
- 化繊素材(ポリエステル100%など)
- ウール素材(メリノウールなど)
- 両方のハイブリット(メリノウール・ポリエステル混合など)
それぞれの特性を簡単に紹介します。
化繊素材の特徴(ポリエステルなど)
化繊素材とは、化学繊維素材の略で、登山用としてはポリエステルなどの素材がよく使用されています。
化繊素材を使ったベースレイヤーの一番の特徴は「速乾性が高い」ことで、夏の暑い日などに着用して汗をかいてもすぐに乾くので登山用としては最適です。
料金も比較的安く、軽くて頑丈というメリットもあります。
その反面、汗・水分を蒸発させる過程で体の熱を外に逃すので「保温性」は低いという特徴もあります。
ウール素材の特徴(メリノウールなど)
ウールは主に羊の毛(天然繊維)を使った素材です。登山用には、最上級素材でチクチクしない「メリノウール」を使ったベースレイヤーが人気です。
ウール素材のベースレイヤーは吸水性の高く、ウロコ状の繊維が水を弾いて、肌と汗を直接触れるのを防いでくれるので「汗冷えしない」という特徴があります。
そして、化繊素材に比べて速乾性は劣りますが、ゆっくり乾く特性があるため体の熱を外に逃しません。なので、ウール素材は「体温を一定に保つ力」の優れています。
また、殺菌性が高いので汗をかいても菌が繁殖しにくく「防臭性」に長けるという嬉しいメリットがあります。
ハイブリット素材
ハイブリット素材は、化繊・ウールをミックスした生地を使用。ウールの特性である「防臭性」や「保温力」をキープしつつ、化繊素材を折り込むことで「速乾性」「耐久性」を向上させる狙いがあります。
例えば、ウール素材を着ているとどうしても乾きが遅いので、夏シーズンに着用すると、汗冷えをしなくても生地が濡れていることに不快感を感じることがあります。
化繊素材を折り込むことによって速乾性が向上すると、そのような不快感も軽減させる効果が期待できるのです。各メーカーによって混合率が異なるので、どんな山にどんな季節に登るかによって選ぶ必要があります。
ベースレイヤー季節・標高別におすすめを紹介!
それでは実際に、登る山の標高や季節によってどんな使い分けをしたら良いのか、おすすめを紹介します。
夏シーズンの低山【標高1000m前後】
まずは夏シーズンの低山ですが、暑すぎて汗だくになることが想定されるので「化繊素材のベースレイヤー」がおすすめです。
登山では長袖・長ズボンが基本と言われていますが、夏山低山の場合は「そんなこと言ってられるかー!」というくらい暑いので「半袖Tシャツ一枚」でも仕方ないです。
化繊素材のベースレイヤー(Tシャツ)は、上にパーカーなどを重ねて長いシーズン使えるので何枚あっても重宝しますよ。汗をかいてもすぐ乾くので、汗ジミもできにくいです。
最近はアウトドアブランドのTシャツでも、タウン着で着用することを想定した「コットン混合」素材Tシャツが多く出ていますが「化繊素材100%」を選ぶことがポイントです。
MAMMUTの化繊100%素材Tシャツ がおすすめ
▼その他、おすすめアウトドアブランドの速乾Tシャツはこちら
夏シーズンの高山【標高2000m-3000m前後】
夏シーズンの高山の場合は、稜線上を歩くことが多く、風にさらされて体温の低下が起こりやすいため「保温性」のあるベースレイヤーを選ぶことがポイントです。
しかし、標高の低い登山口から歩き始める時にはもちろん暑いので、生地が薄めの「メリノウール素材」や「ハイブリット素材」が個人的にはおすすめ。
もちろん化繊素材でも問題ありませんが、その場合は保温性をアップさせるために、ウィンドシェルなどのアウターを重ねて着用することをおすすめします。
アイスブレーカーの150ゾーン(メリノウール+ナイロン混合)
▼メリノウール素材のベースレイヤーに関しては、以下で詳しく解説しています
春・秋シーズン【雪山以外】
春・秋シーズンの低山のベースレイヤーは、登る日の気温や自身の寒さ耐性によりますが、どの素材のベースレイヤーも一長一短あり。
基本的には、雪山以外なので歩き始めると暑くなることが多く、長袖の化繊素材ベースレイヤーや薄手のメリノウール素材など、上に着用するミドルレイヤーとの相性によって決めると良いでしょう。
春・秋シーズン用の雪山以外の山に登る人が、一つだけどの素材を揃えたら良いかといわれたら、コスパの良い化繊素材のベースレイヤーをおすすめします。
パタゴニア キャプリーンミッドウェイト(リサイクルポリエステル100%)
パタゴニアの大人気キャプリーンシリーズの中でも、一番汎用性の高い化繊素材の長袖Tシャツがおすすめです。
パタゴニア公式サイト メンズ・キャプリーン・ミッドウェイト・クルー パタゴニア公式サイト ウィメンズ・キャプリーン・ミッドウェイト・クルー冬シーズンの低山【標高1000m前後】
冬シーズンの低山では、行動中は汗ばむほど暑くなりますが、基本的には立ち止まった時の寒さとの戦い。
ベースレイヤーは「汗びえしない」ことが一番重要で「保温性」のあるものを選びます。
なので冬シーズンの低山では「メリノウール素材(中厚手)」のベースレイヤーがおすすめです。もしくは、化繊・ハイブリットの長袖に、しっかりと中間着を着込みましょう。
アイスブレーカー メリノウール100%が中厚手がおすすめ
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冬シーズンの高山は、厚手のベースレイヤーを選ぶことが基本ですが、運動量があるので通気性の高さも重要です。
ベースレイヤーの上に重ねるアウターとの相性もありますので、色々と試してベストなものを見つける必要があります。
パタゴニア キャプリーン エアがおすすめ
パタゴニア公式サイト ウィメンズ・キャプリーン・エア・クルー パタゴニア公式サイト メンズ・キャプリーン・エア・クルー
ニュージーランド産のメリノウール51%とキャプリーン・リサイクルポリエステル49%のハイブリット素材。運動量の高い雪山登山でも、保温性・速乾性のバランスが抜群で頼りになる存在です。収縮性に優れているところもポイントです。
まとめ:一番汎用性が高いのは、化繊素材のベースレイヤー
色々なベースレイヤーの素材・おすすめをまとめましたが、まず1枚揃えるとしたら、一番汎用性の高い「化繊素材のベースレイヤー(長袖)」を用意しておけばオールシーズン使えるので間違えありません。
上に着用するミドルレイヤーで調整すれば、保温性の低さもカバーできるのでOKです。
各シーズンのおすすめの服装例に関しては、季節ごとの記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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