こんにちは、DC山岳部(@dc_mountain)です。
登山初心者がまず始めにそろえたい重要な装備の一つに「レインウェア」があります。しかし、レインウェアは価格もかなり高額なものが多く、知識が無いまま購入して失敗したくないですよね…。
私が登山をはじめたばかりの時に急ぎで購入したレインウェアは、結局気に入らずに、着用しなくなってしまいました…(その後、ちゃんと気に入ったものを選び直して、10年近く愛用しています!)
今回は、初めてのレインウェア購入で失敗しないように、登山用レインウェアの基本的な選び方のポイントを解説、その上で、登山好きの視点でおすすめの人気モデルを紹介します。
登山ではレインウェアの用意が必須!
「山の天気は変わりやすい」とよく言われるように、日本の山では突然雨に降られることがあります。
太平洋に囲まれた日本列島では、海から湿った空気が風に運ばれて山へとぶつかり、上昇した空気が上空で冷やされて雨となるためです。
そんな日本の山岳環境下では、一番大事なことは「体を濡らさないこと」です。厳しい自然環境下にさらされる登山では、濡れた体が風に吹かれて体温低下、低体温症やエネルギー消耗で、動けなくなるリスクがあるためです。
体を濡らさないで安全・快適に登山をするためには「レインウェア」が準備が必要です!
雨の予報が出ていない時も、常にザックの中にはレインウェアを忍ばせて、万が一の自体に備える装備が基本です。
▼初心者向け夏山登山の服装まとめ(レインウェアが必要かどうか、詳しくは以下の記事をどうぞ)
>>【初心者向け】夏の登山の服装|低山-高山まで標高別に紹介します!
登山用レインウェアは【防水透湿素材】が基本
レインウェア選びの一番大事なポイントは、素材・生地選びです。
防水性・浸透性に優れた「ゴアテックス素材」に代表される「防水透湿素材」が基本です。防水透湿素材とは、雨を防ぐ「防水性」と、水蒸気や汗を外に逃す「透湿性」両方に優れた素材です。
それぞれ登山における「防水性」と「透湿性」の目安を知って、自分の山行スタイルに合ったレインウェアを選びましょう。
防水性の目安
レインウェアの防水性とは、雨からの濡れを防ぐ役割のことです。
登山では、どんな自然環境下でもリスクに対応できる、高いレベルの防水性が求められます。
よく登山用品で使われる「ゴアテックス素材」であれば、十分な防水性が備わっていますが、メーカー独自開発の「防水透湿素材」のレインウェアを選ぶ時には、必ず数値をチェックするようにしましょう。
レインウェアの防水性を測る数値として「耐水圧」があり、レインウェアの生地がどれくらいの水圧に耐えられるか目安にすることができます。登山では、耐水圧20,000mm以上あるものを選ぶようにしましょう!
一般的にレインウェアを選ぶ目安として、小雨や小雪をしのぐ程度であれば5,000mm、スキーやゴルフは雨・雪に風も加わるので最低10,000mm、登山は命に関わるので20,000mm以上が必要と言われています。
ウェザーニュースより引用
透湿性の目安
レインウェアの透湿性とは、汗などで蒸れた水蒸気を外に逃す力のことです。
登山では、運動強度が高いので、すぐに汗をかきます。そのため、透湿性が低いレインウェアを着ていると、レインウェアの中が蒸れて蒸し風呂のようになります(泣)
いくら防水性で雨から防げても、自分の汗で体が濡れてしまったら意味がないですよね。なので、「防水性」と同じくらい(もしくはそれ以上に)「透湿性」の高い生地を使ったレインウェアを選ぶことが重要です。
レインウェアもの透湿性も数値化さえていることが多く、ゴアテックス素材の中でも、種類によって数値が異なります。「透湿性の数値」が高いものを選べば、より蒸れにくいレインウェアを見つけられます!
ゴアテックスの種類
やはりレインウェアはゴアテックスが安心!という人も多いかと思います。
しかし、防水透湿素材の代表である「ゴアテックス素材」にも、いろいろ種類があります。
全てを知っておく必要はないと思いますが、レインウェア選びに必要な基礎的な知識だけ記載しておきますね。
ゴアテックスは3レイヤーが一番おすすめ!
ゴアテックスは、2レイヤー、2.5レイヤー、3レイヤーのものがあります。
- 2レイヤー:生地+メンブレン
- 2.5レイヤー:生地+メンブレン+ラミネート
- 3レイヤー:生地+メンブレン+裏地
登山用のレインウェアでは、基本的に2.5または3レイヤーのものが使わます。
その中でも、3層(表地+メンブレーン+裏地)のレインウェアを選ぶのがおすすめ。裏地がついているので、より肌触りがよく、耐久性に優れています(その分、料金は高くなります)
ちなみに「ゴアテックスプロ」は最上級、基本的に一般登山であればワンランク下の「ゴアテックスプロダクト」で十分なスペックです!
新素材の裏地「C-KNIT」が人気!
ゴアテックスは、年々進化し、新しい素材が生まれています。
近年ではC-KNITと呼ばれる、収縮性のある新素材裏地が人気なので、チェックしてみてください。
C-KNITを使うことで、ゴアゴアしたレインウェアの硬さがなくなり、しなやかで柔らかい肌触りがを実現。
より透湿性がアップするので、蒸れずに快適な着心地だと人気です!
その他、レインウェア選びのポイント
レインウェアの素材以外で、私なりの選び方のポイントを紹介します。
携行性も大事【軽量でコンパクト】
登山ではいつ雨に降られるかわからず、常にレインウェアを携帯している必要があります。
必要な時以外は、ザックの中に閉まっている時間が以外に長かったりします。そのため、軽量でコンパクトに収納できる「携行性」も大事なポイントです。
中には、超軽量に偏った200gを切るようなモデルもありますが、その場合、耐久性が犠牲にされるので、あまり偏ったモデルはおすすめしません。
初心者であれば、バランスの良い300g-400g程度のレインウェアを選ぶと良いと思います。
上下は単体で購入もOK
レインウェアは上下セットで売られているものもありますが、それぞれ単体のものを購入してもOKです。
私も、レイウェアの上はお気に入りのアークテリクスのジャケットですが、下は昔使っていたノースフェイスのレインウエア の下を着用しています。
個人的に、上のジャケットはそこそこ良い質のものを選びたいですが、下のズボンはそこまで活躍しないので、お安いもので良いと思っています。
また、上のジャケットは、ミドルレイヤーの上に羽織るアウターでもあるので、サイズ的には余少し裕を持って購入するのがおすすめです。
登山好きの視点でレインウェアおすすめ4選!
それでは、登山好きの視点でおすすめできる、人気のレインウェアをピックアップしました!
脅威のコスパ!ゴアテックスC-KNIT素材のレインウェア
モンベル ストームクルーザー
素材:ゴアテックス3レイヤー 20D: C-KNIT™バッカー
耐水圧:50,000mm以上
透湿性:35,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)(参考値)
平均重量:254g
公式値段:¥22,880(税込)
モンベルって本当にすごいと感心させられる名品レインウェアです。
登山初心者は、このレインウェアを買えばまず間違えありません(なんならベテランもあえてモンベル選んで着ているくらいすごい)
ゴアテックス素材で人気のC-KNIT素材を使用し、より高い透湿性(35,000g/m²)と着心地の良さを実現させました。対水圧は50,000mm以上、登山で必要スペック20,000mmという基準をはるかに上回るの数値申し分ありません。
登山初心者の夫にも、迷わずこちらのレインウェアを
汎用性の高いオシャレなレインウェア
ノースフェイス クライムライト ジャケット
Climb Light Jacket (クライムライトジャケット) THE NORTH FACE (ノースフェイス) NP12003 HB BLU Climb Light Jacket (クライムライトジャケット) THE NORTH FACE (ノースフェイス) NPW12003 MG GRY素材:ゴアテックス3レイヤー 20D:GORE-TEX Micro Grid Backer
耐水圧:公表なし
透湿性:公表なし
平均重量:約250g
公式値段:33,000円(税込)
ゴアテックス3レイヤーのマクログリットバッカー素材で作られた、軽量・コンパクトで携行性に優れたレインウェアです。専用のスタッフサックがついていて、かなり小さくなります!
登山でも3シーズン使えるスペックを備えたレインウェアですが、タウンユーズでも着られるコンセプトで作られているので、幅広いシーンで活躍します。カラーバリエーションが豊富なので、デザインで選びたい人はチェックしてみてください!
モンベルのストームクルーザーと似たスペックですが、やや細身のシルエットです。
お値段も良心的なので、初心者におすすめです。
他にもいろいろなカラーがあるので要チェック!
Climb Light Jacket (クライムライトジャケット) THE NORTH FACE (ノースフェイス) NPW12003 NT OLV近年人気急上昇中!独自素材で蒸れないレインウェア
ミレー ティフォン50000
TYPHON 50000 ST JKT (ティフォン 50000 ストレッチ ジャケット) MILLET (ミレー) MIV01479 4581 BLK LD TYPHON 50000 ST JKT (【ウィメンズ】ティフォン 50000 ストレッチ ジャケット) MILLET (ミレー) MIV01508 6336 BRN素材:DRYEDGE™ TYPHON 50000
耐水圧:20,000mm以上
透湿性:50,000g/㎡/24hrs
平均重量:304g
公式値段:¥28,600(税込)
ミレーのティフォン50000は、ゴアテックス素材ではありませんが、高い透浸性とストレッチの効いた着心地が特徴で、あらゆる雑誌でレビューされている評判の良いレインウェアです。
防水性(耐水圧)が20,000mm以上とゴアテックスより劣りますが一般登山では十分な水準、さらに、ゴアテックス以上の高い透浸性がかなり魅力的です。
雨が降らない時には行動着として蒸れずに活用できるので、ゴアテックスのレインウェアよりも活躍の幅は広そうです。ズボンの評判も良いので、試してみたいと思っているレインウェアの一つです。
個人的に細身のすっきりとしたシルエットや、カラーバリエーションも好きです!
他のカラーもチェック!
TYPHON 50000 ST JKT (ティフォン 50000 ストレッチ ジャケット) MILLET (ミレー) MIV01479 4581 BLK全てにおいてハイレベルな一押しレインウェア!
アークテリクス ベータ LT
素材:ゴアテックス TRICOT BACKER
耐水圧:記載なし
透湿性:記載なし
平均重量:350g
公式値段:55,000円(税込)
アークテリクスの3レイヤー・ゴアテックス素材のレインウェアです。全てにおいて高性能・ハイスペックなアークテリクスのレインウェアの中でも、山でのすべてのアクティビティに応える万能さを備えたモデルです。
デザインも間違えなくカッコいい!公式サイトで商品をチェックしましたが、最新モデルのレインウェアは全て完売しているほどの人気ぶりです。特に、人間工学に基づいた立体裁断のシルエットが、動きやすく扱いやすいと評判です。
実は私が使っているのも、同じタイプの古いモデルです。もう10年くらい使っていて、そろそろ買い替えが必要になってきました(泣)
はじめて購入するけど長く使えてカッコいいレインウェアが欲しい!という人は、料金はそこそこしますが、思い切ってアークテリクス買ってしまっても良いと思います!
10年も使えば元は取れるのでおすすめです!
デザインもかっこいいので、街中で着用している人も見かけますよね(でもタウンユーズだけはもったいないと思ってしまう…笑)
まとめ:レイウェアは長く大事に使おう!
登山用のレインウェアをゲットしたら、いよいよ本格的に登山スタートですね!これから、長く相棒として活躍してくれるレインウェアなので、ぜひ妥協せずに選んでみてくださいね。
登山初心者でまず最初の1着ということであればモンベルのストームクルーザーが万能ですし、オシャレなレインウェアを探している人はノースフェースやアークテリクスがおすすめです。
ミレーも着心地が良いモデルなので、ぜひ試してみてください。個人的に買い換えるとしたら、再度アークテリクスか、ミレーも気になっています。
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