ソロ登山の危険とは?|一人で山に登るメリット・デメリット

稜線歩き最高!

こんにちは、Mountain DCちか(@dc_mountain)です。夫婦登山のブログを立ち上げたにもかかわらず、最近は一人登山ばかりになっています(笑)

前までは職場の仲間と山に登ることも多かったのですが、近年は予定が合わなかったりなどして…。これからも、むしろソロで登ることが多くなるのではないかと思っています。

また、アウトドアブームに拍車がかかっていることもあり、登山に興味を持つ人は増えているように感じます。そんな中で、休みの関係などで、一人で登る選択肢になってしまう人もいるのではないでしょうか。

今回は、これから一人登山に挑戦したいけどちょっと不安…という人に向けて、一人で登ることのメリット・デメリットや、気を付けるべきポイントを紹介します。

また、一人登山ならではの「危険」もありますので、ソロ登山でどんな危険があるのか、その危険に対してどのように備えれば良いのかまとめました。

タップできる目次

なぜ一人で山に登るの?|ソロ登山のメリットについて

別山北峰から望む剱岳

まずは、なぜ一人で山に登るのか、ソロ登山好きの筆者目線でメリットを考えてみました。

本当に登りたい山に、タイミング良く登れる

本当に行きたい山に自分の都合で登れる身軽さは、やはり一人登山ならでは良さです。

グループで登山をする場合には、皆んなで予定を合わせて計画する必要があるので、1ヶ月以上先の週末にどの山に登るのか決めることになります。仕事の都合などで、なかなか休みが確定しない人もいたりで大変です。

ようやく日程が確定したら、次はどの山に登るか決めて、その後には山小屋や移動手段を予約したり色々やることがあります。しかも、せっかく予定を立てたのに当日雨、皆んなで予定を合わせたからと天候の悪い日にわざわざ山に登ることもあります。

雨の中を歩く
雨でも強行することも

また、登山では各々体力・経験の差もあるので、皆んなで行く時には自分が登りたい山に登れないこともあります。

皆んなで行けばどこでも雨でも楽しいという気持ちもなくはないですが、登山シーズンは限られているので、やはり自分の予定に合わせてベストなタイミングで好きな山に登りたいものなのです。

直前に予定変更もOK!

誰かと一緒に登山をする時には、直前に予定を変更することが難しいです。

一人であれば天気が微妙な日に「やっぱり明日の方が天気良いから日にちを変えよう」ということが簡単にできるのが大きなメリットです。当日になって気分が乗らなかったら、中止にしても誰にも迷惑かけません。

これが日程に融通が効かない友人と予定を立てていたら、当日体調が悪くても日本人の心理的に無理してでも向かってしまう人が多いのではないでしょうか。

そういう意味では、グループで登山をする際には体調不良・悪天候でも強行してしまうという、一人登山とは別のベクトル危険性があるのです。

富士山すごいー!
晴れている日に登りたい

一人登山は天候・体調を顧みて、自分都合で決行判断できます。

歩くスピード・休憩タイミングも自分次第

一人で登る時には、誰かに合わせる必要がないので、登山中もマイペースに行動できるところがメリットです。

例えば、自分より体力のある人と歩く時には、無理をして力量以上のページに合わせてしまうこともあるでしょう。しかし無理をすると、結局途中でバテて迷惑かけてしまったり、体に負担をかけてしまい膝や腰を痛めてしまうなんてことが起こります。

また、超健脚グループについていこうとすると休憩タイムが全くなかったり、ましては写真を撮るタイミングすら見つけられない時もあるので注意が必要です(笑)

堀山の家の甘酒
ふらっと休憩ついでに山カフェへ

私は自分のことを主張することが苦手なので、登山中も相手に合わせすぎてつい無理をしてしまうことがあります。一人の時はそういう気を遣う必要がなくなるので、歩行ペースも休憩も自由に楽しめるところが魅力ですね。

実力がつき、山をより深く味わえる

友達やグループで一緒に登ると、どうしても計画をリーダー任せにしてしまうことがあります。登山計画を人任せにして、自分は後ろから歩いているだけという状況だと、登山の実力は残念ながらつきません。

登山の楽しみからは人それぞれですが、自立して登山計画できてこそ「山をより深く味わえる」「山の本当の楽しみを知る」ことにつながると思うのです。

もちろん初心者のうちは実力のある人に連れて行ってもらった方が理解は早いです。しかし、ある程度自分の実力を把握して登山計画を立てられるようになったら、むしろどんどん一人登山に挑戦すべきだと思っています。

雪が冷たくて気持ち良い
一人登山に挑戦!

自分がコースタイムに対してどの程度のスピードで歩けるのか、どの程度の標高差の山に登れるのか、下山時間は何時頃になるのか、登山口までのアクセス方法は何がベストなのか、天気が崩れてしまったらどうすれば良いなど、登山計画の段階だけでも考えることはたくさんあります。

実践を積み重ねて力がつくにつれ登れる山やコースが増えていくので、もっともっと登山が楽しくなるはずです。

一人登山のデメリットは?

目の前の岩山上が富士ノ折立山頂

一人登山が大好きな筆者ですが、逆にデメリットに感じることを紹介します。

移動にお金がかかる

ソロ登山の最大のデメリットは、移動にお金がかかることです。これには私も毎回頭を抱えています。

登山口までのアクセスが良い近場の山を登る際には問題ありませんが、マイカーで移動するガソリン代・高速代などは全部一人で払わなければならないですし、公共交通機関でもタクシーを使わないとたどり着けない登山口もあります。

車やタクシーを利用する場合には、グループ登山の計画を立てた方が断然安上がりですね。なので、私は一人登山に行く時には、全て公共交通機関で移動できる登山コースを選ぶようにしています。

バス停にぎりぎり到着
バス停にぎりぎり到着で走る(笑)

知らない人に声をかけられる

これは女性あるあるなのかもしれませんが、一人で山に登ると声をかけられる回数が多くなります。私の場合はよくおじさんに声をかけられて、そのままなぜか山頂まで一緒に登山するような時もあります。

そのまま会話を楽しめるような気分の時もありますが、そうでない時は「一人になりたい…」なんて思うこともあります。おじさんとしては、女性一人だと危ないからなど心配してくれているのかもしれませんが。

登山では挨拶する習慣があるので、声かけやすいのかもしれませんね。

一人で歩きたいときには、声をかけられた際にどう対応するか「処世術」を身につける必要があるかもしれません。しかし、山の上での出会いが楽しみという人もいると思いますので、人それぞれなのかもしれません。

犬越路方面のパノラマ
登山途中に意気投合して一緒にあるくことも

難しい山に挑戦しにくい

一人で登山をしていると全ての判断を自分で行うので、ある程度、実力がつきます。しかし、自分の実力からさらにレベルアップしたような山に挑戦するのに躊躇することがあります。

例えば、私は登山をはじめたばかりの時に、会社の先輩に誘ってもらい北アルプス縦走したことがあるのですが、一般ルート最難関である「大キレット」を通りました。

大キレット
大キレットの長谷川ピーク

今考えたら自分の実力を遥かに超えるコースで、これから先一人では絶対に歩きたくない場所ですが、その時には実力のある先輩に連れて行ってもらったおかげで歩くことができました。

一人で登山していると、万が一何かあった場合に助けてくれる人がいないので、自分の力量で安全に登れる自信がないとなかなか挑戦できないのです。

一人登山の危険性とは?|備えは万全に!

無事にヘリコプターで救助
北アルプスで遭難救助現場に遭遇

一人登山がなぜ危険だといわれるかは「何かあった時に近くに人がいなくて誰からも気づかれな可能性がある」からだと思っています。

人がそこそこいる山を選んで歩いていたとしても、ふとした瞬間に一人になっていることは結構な頻度でありますよね。そんな時に、万が一滑落して意識を失ってしまったら、目撃者がいないのでしばらく誰も気づいてくれません。

もし登山届が出ていなかったら、親族も何の手がかりもなく「行方不明」状態になってしまいます。すぐに誰かが気づいてくれれば助かったかもしれない命が、簡単に失われてしまうのです。

なので一人登山だからこそ、想定される危険に対する備えをしっかりしておくべきだと思っています。

登山届けを提出・家族と共有

登山届は必ず提出、そして家族とも共有しておくことが大事です。

よくどこの山に行くか家族にざっくりとしか伝えていない人もいるかもしれませんが、一つの山でも登山ルートがたくさんあります。なるべく早く見つけてもらうためにも、登山計画書をそのまま家族と共有しておくのが良いでしょう。

登山届は登山口で提出するひともいますが、ネット・アプリが簡単に作成・提出できて便利です。

▼登山届・登山計画書のネット・アプリ提出方法について

山岳保険に必ず加入+ココヘリがおすすめ!

山岳保険にも必ず加入しておきましょう。

その中でも、ソロ登山者には、万が一遭難した時に位置情報で居場所を特定してくれる「ココヘリ」に加入しておくことをおすすめします。

キーフォルダーのようにザックにつけておくだけでOK、救助要請があったら登山届提出の山域を中心に捜索開始、キーフォルダーの電波をキャッチして離れた場所からでも居場所を特定できるので早期発見につながります。

ココヘリに加入しておけば、ソロ登山者の危険性をカバーできます。

ファーストエイドの知識をつける

一人で登山するからには、万が一怪我をした場合に応急処置できるように、最低限のファーストエイドの知識をつけておくと安心です。

SEA TO SUMMITファーストエイドドライサック

ファーストエイドのキット(絆創膏・ポイズンリムーバー・三角巾・テーピング・常備薬など)も、どんな山に行く時にも必ず携帯するのが基本です。

▼ファーストエイドの中身についても書いています

登山ツアーに参加するのもあり

夏山でも長袖長ズボンが基本

あまりに周りに登山をする人がいなくてどうすれば良いかわからない人や、登山口までの移動が困難な山に登りたい時には、登山ツアーに参加するのも一つの手です。

近年では一人参加用のツアーも増えていて、クラブツーリズムでは女性のソロ専用ツアーまであります!

人気のある山からマイナーな山まで、ツアー数も多いのでおすすめです。

▼クラブツーリズムツーリズムのツアーをチェックする

≪国内旅行≫登山・温泉・おひとり参加限定など、テーマ別ツアーが満載!

まとめ:万全に準備して一人登山を楽しもう!

一人登山は危険が伴うので避けるようにという文言はよく聞きますが、グループであってもリーダーの判断等によって危険にさらされることがあります。

天候悪化してもせっかく皆んなで予定を合わせたからと強行突破したことにより、低体温症によって亡くなってしまうようなこともよく耳にします。

なのでソロ登山だから危険だという訳ではなく、登山では想定される危険に対してどのように備えるかが大事なのかなと感じました。

これからも一人で登山する機会は増えると思うので、自分自身でも対策を見直して、ソロ登山を楽しみたいと思います。

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