山岳保険はどれに入るべき?おすすめ年間契約プラン5社を徹底比較!

無事にヘリコプターで救助

こんにちは、Mountain DCちかです。皆さん、山岳保険に入っていますか?

先日、北アルプス縦走中に遭難者に出会った話を記事にしました。

いろいろと思い出して、改めて、安全管理の大切さを認識しました。登山をする人にとって、決して人ごとではないなと。

しかし、山岳保険に加入するハードルって結構高いですよね?遭難する可能性はそんなに高くないし、お金かかるし…と躊躇する気持ちもよくわかります。

山岳保険加入するべきか…と悩んでいる人に向けて、どのようなポイントで保険会社を選べば良いのか、お手頃でおすすめの大手保険会社の年間プランを比較しながら紹介します!

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山岳保険の選び方ポイントを解説!

槍ヶ岳から中岳へと続く稜線

山行スタイルから選ぶ

登山する人が加入する山岳保険には、大まかに2つのタイプがあります。

  1. 一般登山…無雪期の一般登山。
  2. 山岳登はん…ピッケルやアイゼンを使用する雪山登山、ロッククライミング、沢登りなど

山岳登はんの方が危険度が高くなるため、一般的に保険料は割高になります。

一般的な夏季の登山・ハイキングをする人は(低山・高山関係なく)、一般登山の保険で問題ありません。

しかし、一般登山から一歩難易度が上がる、残雪期やバリエーションルートなどに挑戦したい人は、山岳登はんがカバーされている保険がおすすめです。

短期プランか、年間プランか

山岳保険には、当日や前日に加入できる短期1日掛け捨てプランから、長期の年間契約プランまで、さまざまな種類がそろっています。

短期の1日プランでは、セブンイレブンなどで手軽にワンコインで入れるプランがありますので、後日また別記事にて解説したいと思います。

しかし、掛け捨てタイプだと、登山行くたびに入るのはちょっとめんどくさい…と思いませんか?

登山では、いつ遭難・道迷い・滑落などが起きるかわかりません。近所の低山に行くだけだから…と油断している時に限って何か起きてしまうかもしれません。

年間契約でも、ライトなプランで年間3,000円程度で入れるものもありますので、ある程度の頻度で登山に行く習慣がある人は、年間契約がおすすめです。

基本的に、年間で5回以上登山に行く人は、年間プランに加入した方がお得ですよ〜♪

補償内容:遭難救助費用は必須!

普段の生活でも、各々保険には何かしら加入しているかと思います。補償内容をよく確認の上、自身がすでに加入している保険と内容がかぶらないように注意しましょう。

山岳保険で必須なのは「遭難救助費用」です。

遭難した時に、ヘリコプターを出動させて助けてもらうような場面で、どれだけお金を保証してもらえるかの上限が、各保険プランによって異なるからです。

遭難時に民間のヘリコプターの出動した場合、莫大なお金が発生します。山岳保険JIROのホームページによると、1時間当たり約46万5000円です。

すんなり遭難者の居場所がわかれば50万円程度で済みますが、実際の遭難者救助では場所の特定が難しい場合も多く、何時間もヘリコプターを飛ばして遭難者を捜索する時もあります。

そうなった場合に、2時間で100万円、3時間で150万円と…費用が膨らんでゆくのです。

もし遭難者が助かったら、救助費用は本人が返却しなければなりません。

もし助からなかったら、莫大な捜索・救助費用の費用請求が大切なご家族の元に行くことになります。

そうなったら、死んでも死にきれませんよね…(泣)

なので、遭難捜索費用の上限確認はマスト。その他の補償内容(携行金補償、後遺障害、死亡見舞金、入院・手術・通院など)は、自身が加入している保険と見比べながらチェックしましょう。

すでに医療保険や損保の個人賠償などに加入している場合は、「遭難捜索費用」に特化した保険がおすすめです。

遭難原因による補償対象を確認

山岳保険の中には、遭難原因によって補償の対象外になることがあるので注意してください!

支払い要項に「急激かつ偶然な外来の事故で生死が確認できない場合、または緊急な捜索・救助活動を要する状態を警察等が確認しあ場合」と定められている場合に該当します。

転落・滑落では問題なく補償されるケースが多いですが、道迷いや病気など「急激かつ偶然な外来の事故」と認められない場合、対象外となるケースがあります。

山岳遭難に精通している専門の保険会社であれば、いかなる理由であろうと補償されるものがありますので、専門の保険に加入することをおすすめします。

人気の保険会社5社の年間プランを比較!

雪山
雪山

では、登山する人が加入している人気の保険会社の年間プランを比較しながら紹介していきます。自分に合った保険プランを見つける参考にしてください。

モンベル野外活動保険(年間3,190円〜)

モンベルの保険は、幅広く手厚く補償してくれる山岳保険です。一般登山保険「モンベル野外活動保険」山岳登攀保険「モンベル山岳保険」に分かれています。

一般登山保険の「モンベル野外活動保険」では、一番シンプルなプランで年間3,190円〜加入可能です。山岳登攀(アイゼン・ピッケルなど使用)の場合には「モンベル山岳保険」があり、年間6,110円〜加入ができます。

どちらの保険も、補償内容が細かく選べるので、自分の加入している保険との兼ね合いをみながらプランを選択できます。

モンベル野外活動保険表
モンベル野外活動保険表:出典モンベル

「モンベル野外活動保険」は、一番低価格なC105プランでも、「遭難捜索費用」が500万円まで、個人賠償責任補償(他人をケガさせたなど)1億円まで、死亡保険金200万円まで補償されますので、かなり手厚くサポートがあります!

しかし、遭難救助費用の注意点として、支払い要項に「急激かつ偶然な外来の事故」と記載があるので、遭難理由によっては補償が降りない可能性があることです。

支払い例を読むと「道迷い・滑落・転落」は出そうですが、「病気」はちょっと微妙そうです。

モンベルの山岳保険に加入する場合には、モンベル会員(年間1,500円)になる必要がありますのでご注意ください。

モンベル会員は普段からモンベルをよく利用する人はもちろんポイント割引がありお得ですし、提携の山小屋やロープウェイの割引などもありますので、個人的には入っておいて損はないと思っています。

お手頃価格&きめ細やかな補償内容なので、登山を始めたばかりの初心者にもおすすめできるプランです!遭難理由によっては、ケースバイケースで補償が降りない可能性も。

一般社団法人 山岳寄付基金「やまきふ共済会」(年間4,000円〜)

やまきふ共済会には、山岳遭難救助に特化した山岳保険で、3つの保険のタイプが用意されています。

基本プラン「やまきふ共済会」は、年会費4,000円で山岳登攀(アイゼン・ピッケルなど使用する雪山やロッククライミング)もカバーされる、コスパ抜群&充実した補償内容の山岳保険です。

なんと「遭難救助費用」は、登山届けの提出が適切になされていれば、1000万円まで補償してくれるというので驚きです!転落・滑落などの偶然事故だけでなく、道迷いや病気なども該当するので安心です。

基本的には遭難救助の特化した保険ですが、プラスやエキスパートを選ぶことによって、更に手厚い保険に入ることも可能です。

プラスして損害賠償補償をつけた「やまきふプラス」や、遭難時の保証にプラスして危険度の高い山岳登はんのケガの補償をまでカバーしてくれる「やまきふエキスパート」があります。

使わなれなかった年会費の一部は、山小屋応援金や公的な遭難救助活動・遭難防止対策・登山道整備事業などに寄付されます。

数ある山岳保険の中でも、コスパの良さ&遭難救助費用の手厚さはNo.1です!海外登山の事故も対象になるところもポイントです!

日本山岳救助機構合同会社「JRO/ジロー」(入会2000円+年間2000円+事後分担金)

日本山岳救助機構合同会社(通称JRO)は、山岳遭難救助に特化した山岳保険です。年会費2,000円の他に、入会金2,000円(初年度のみ)と事後分担金というものが発生します。

事後分担金とは、その年に会員内で発生した山岳遭難救助費用を、会員全員で公平に分担する制度を採用しています。会員数が多いので一人ひとりの分担は、だいたい年に500円〜1000円程度です。

日本山岳救助機構合同会社の山岳保険は非常にシンプルで、一般登山も山岳登はんも山行スタイルにかかわらず保険でカバーされます。山岳遭難救助救助の補償金額は550万円上限です。

登山だけでなくスキー・スノーボード・マウンテンバイク・トレイルランニングなど、山岳地域でのスポーツ活動であれば全て含まれます。また、遭難原因によって補償されないようなことも発生しません(病気・道迷いなどもOK)

JRO保険で補償されるスポーツ範囲
JROホームページより:幅広い山行内容をカバー

その代わり、死亡・後遺障害などの補償はありませんので、自身の加入している生命保険・火災保険・傷害保険等でカバーできるか確認しておきましょう。

JROの山岳保険は、遭難原因や山行スタイルを問わず補償されるところが特徴!
山岳遭難救助に特化した内容の保険を探している人や、山岳登攀を含む、さまざまな山行スタイルを楽しみたい人におすすめです。

レスキュー費用保険(年間4000円)

レスキュー費用保険は、日本費用補償少額短期保険株式会社が提供する、山岳遭難救助に特化した保険です。JROと特徴・内容はほぼ被っています。

JRO同様に保険プランも一つのみで、一般登山も山岳登攀も山岳地域のスポーツ活動であれば補償対象、また、遭難原因によって補償されないようなことも発生しません(病気・道迷いなどもOK)。

山岳遭難救助救助の補償金額は、JROが550万円まででしたが、レスキュー費用保険は300万円が上限です。年間費用の保険料金もJROとほぼ同額です(2年目はJROの方が安い)。

JROとほぼ同内容の山岳遭難救助に特化、しかし補償金額がJROの方が上なので、今のところレエスキュー費用保険に入るメリットが見つかりません…。

YAMAP登山保険(年間4,800円〜)

2019年に新しくYAMAPがサービスを開始した山岳保険です。気軽に1日280円〜加入が可能で、30日間、1年間と長期間加入するごとに1日あたりの費用は安くなります。

山岳保険のプランは3種類用意されていて、「レスキュー保険」「ケガ補償セット」「ケガ&アイテム補償セット」に分かれています。

YAMAP登山保険
YAMAP登山保険HPより

どのプランを選んでも遭難救助費用は300万円まで、上で紹介した3社に比べるとやや少ないですね。しかし、雪山やクライミングなどの山岳登攀もカバーされることがポイントです。

保険料をアップすると、不慮の事故で生じたケガを補償してくれるプラン、不慮の事故でアイテムが破損した場合に保証してくれるプランにグレードアップすることが可能です。

ただし、「不慮の事故」というところがポイントで…、「ただ山にカメラを忘れてしまった」「カメラを落として壊してしまった」という場合にはアイテム補償されませんのでご注意ください。転倒したり他社とぶつかったり、身体に障害が発生しないと、一切保険が降りないそうです…(泣)

保険料自体も安くはないので、年間プランで考えている人はYAMAP登山保険はイマイチかな…と個人的には思っています。

ココヘリに加入すれば更に安心!

無事にヘリコプターで救助
無事にヘリコプターで救助

登山で遭難した時に何が一番怖いかというと「行方不明」です。

行方不明になってしまうと「死亡認定」がされずに、生命保険なども適用されず、勤めていた会社の退職金の受け取りも困難に、家族に多大な迷惑をかけてしまうことになります。いくら保険に加入していても、遭難者を見つけられなければ意味がありません…。

そんな行方不明の状態にならないためにもココヘリに加入していると安心です!

ココヘリは会員制捜索ヘリサービスで、入会すると山で使える発信機型会員証が手元に届きます。そのGPS付きの会員証を持ち歩くことで、居場所を正確に把握し、全国エリアの捜索救助の組織に引き継ぐシステムです。

初年度のみ入会金3,000円+年会費4,015円〜加入可能です。しかし、JROの山岳保険に入会している人は、入会金が無料になるのでセットで加入がおすすめです!

 ココヘリには、個人賠償責任補償や、アウトドア用品補償がついているので、山岳保険と組み合わせて使うと最強の安全対策になりますよ♪

まとめ:結局どれがおすすめ?

いろいろ書きましたが、結局どれが一番良いの!?と思っている人も多いでしょう。最後に、どの山岳保険がおすすめか、あくまで個人的な見解ですが参考までに。

  • 一般登山しかしない人で、コスパ重視→「モンベル野外活動保険」
  • 個人賠償責任補償・死亡補償がほしい人→「モンベル野外活動保険」「やまきふプラス」
  • 山岳遭難救助の補償に特化した保険に加入したい人→「やまきふ共済会」または「JRO」
  • 山岳登はんを含む山行をする人→「やまきふ共済会」または「JRO」
  • ココヘリに加入したい人→「JRO」
  • 海外登山にもよく行く人→「やまきふ共済会」

レスキュー費用保険、YAMAP登山保険は、上の3社と比較すると補償内容が劣るかな…という感じです。そのため、上を3社の中から選ぶことをおすすめします。

自身が普段から加入している保険の内容と合わせて、考えてみてくださいね。

▼遭難救助でおすすめの本
穂高岳山荘の名物小屋番による遭難救助のお話。人気漫画「岳」に出てくる宮川三郎のモデルにもなっています。実際に現場で起こった臨場感のあるエピソードの数々が、ユーモアのある飾らない言葉でつづられています!

▼北アルプス縦走中に遭難者に出会った体験談はこちら

▼登山用のファーストエイドキットのおすすめ!

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