2020年09月13日(日)〜14日(月)に、北アルプスの「蝶ヶ岳〜常念岳の縦走コース」を歩いてきました。
北アルプスは今シーズン初なので、とても気合が入っていましたが、直前の天気予報では2日とも雨マーク…。どうなる事やらと心配しましたが、必死の祈りが通じて、2日目は素晴らしい快晴の中で縦走コースを歩く事ができました。
また、今シーズンはクマの目撃情報が非常に多いエリアだったので、私も出発前からそわそわしていたのですが、実際に登山道すぐ近くで野生のクマに出会ってしまいました…!出会った場所や熊の様子をシェアしたいと思います。
今回歩いたコース「三股登山口→蝶ヶ岳→蝶ヶ岳ヒュッテ【泊】→常念岳→三股登山口」は、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走しましたが、逆ルートで歩く人の方が多いようです。実際に歩いてみたら、常念岳から三股登山口までの下山コースが、とても長くて岩がゴロゴロしていて想像よりも大変でした。体力不足で遭難する人も多いようです。
次に同じコースで歩く人に参考になるように、当日の様子なども交えながら紹介していきます。
蝶ヶ岳から常念岳へ縦走コース(三股から周回)
今回の歩いたコースの「三股駐車場→蝶ヶ岳→蝶ヶ岳ヒュッテ【泊】→常念岳→三股駐車場」の地図です。車でアクセスしたので、三股登山口の駐車場からスタートしました。三股登山口から、蝶ヶ岳と常念岳の2つの山を周回して歩けるコースです。
<目安のコースタイム>
1日目:三股駐車場→蝶ヶ岳(5:05分)
2日目:蝶ヶ岳→常念岳(4:50分)常念岳→三股駐車場(4:30分)
<当日のログ>
1日目:三俣駐車場 07:30分出発→蝶ヶ岳 12:30分到着 (約5:00分)
2日目:蝶ヶ岳 04:30分出発→常念岳 09:00時着(約4:30分)
2日目:常念岳 09:40分出発→お昼休憩30分→三股駐車場 15:10分着(約5:00分)
▼蝶ヶ岳・常念岳地図
1日目:三股駐車場から蝶が岳へ
まずは、三股駐車場から蝶ヶ岳へ向けて登山スタートです。
駐車場は、朝7時の時点では第一駐車場も空いていました。晴れろと何度も念じましたが、この日はあいにくの雨…。しかも、どんどん雨の勢いが増していきます。
駐車場でトイレを済ませて、翌日の晴れ予報を信じて出発!
三股登山口には、登山届の提出場所とトイレがあります。
私たちの時は、登山届の紙が切れていましたので、事前にインターネットなどで登山届を提出しておくと安心です。この後、トイレは山頂の小屋までありません。
歩き始めて30分程度で「力水」と書かれた水場があります。今回のコースで水場はここのみです(山小屋以外で)。
コース自体は階段が多いですが、段差が小さく歩きやすい道が続く印象です。
降り続く雨に加えて、雷が鳴り始めました…。
ビビりなので、鳴り始めた瞬間に撤退を考えますが、雷が収まるまで様子を見ることに。一回ピカと光った瞬間に「ドーン!!!」と大きな音が鳴り、さらに緊張感が高まります…。
30分ほどじっとしていると雷が徐々に収まってきました。気を取りな直して、恐怖心を「しりとり」で紛らわせながら歩き始めます。しりとりに夢中になっているうちに、有名な「ゴジラ」を見逃してしまいました…。
あとは、大きな見どころもなく、ひたすら樹林帯を登ります。
雷休憩のタイムを含めて、ほぼコースタイム通りに蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。辺りは真っ白&強風でしたので、すぐに小屋に駆け込みました!
蝶ヶ岳ヒュッテの温かいカレーに癒やされました!
コロナ対策から、一区切りされている相部屋を、貸し切り状態で使えたので快適でした!
枕には、コロナ対策で紙のカバーが付いています。
<1日目の所感>
三股~蝶ヶ岳は北アルプス入門者向け。ヒュッテまでは、ほぼ樹林帯で長い階段が続きますが、特に危険な箇所はなく、登りやすいと感じました。
また、蝶ヶ岳ヒュッテは稜線に出てから10分以内の立地なので、急な天候悪化にも比較的対応しやすいと思います。9月なのですでに気温が低く、ダウンを着ていても夜は冷え込んで寒かったです。
2日目:蝶ヶ岳から常念岳へ縦走
昨日の夜までビュービューと突風が吹いていて、明日はどうしようか…と悩みましたが、朝3時頃に目を覚ますと星が出ていました!「よし、これは行けるぞ!」と心の中でガッツポーズ。
朝4時半出発で、常念岳への縦走コースを歩き始めました。この日はコースタイムで9時間以上の歩行なので、早朝に出発します。
まずは、昨日天候悪化で断念した蝶ヶ岳山頂(2,677m)に立ち寄ります。辺りは真っ暗なので、ヘッドライトを付けていきました。山頂の写真は心霊写真みたいでしたので載せないでおきます(笑)
だんだん目が慣れてくるので暗くても大丈夫でした。出発から約30分で、昔の蝶ヶ岳山頂である「蝶槍」に到着!ここから、ご来光を望むことができました。
朝日に染まる「穂高連峰~大キレット~槍」の展望が見事で、何とも贅沢な時間を過ごしました。私たち以外、誰もいません。
蝶槍からは、徐々に標高を下げて樹林帯に入ります。
2,400mまで降ったら、常念岳(2,857m)まではひたすら登りです。
遠くから見ると稜線が鋭く見えますが、しっかりと横幅のある道なので怖さは全くありません。
ただし、岩がゴロゴロしているので、手を使わないと登れないような岩稜が続きます。
山頂までいよいよ少し!というところで、黒い動物が元気よく走っている姿が…。「あ…クマだ…」と言いながら、いったん思考停止…。
登山道から十数メートルしか離れていない場所だったので、しばらくそこから動けず。クマが来ないであろう岩場に登って一時避難しました。
実際の動画です。本当に山頂まであと10分程度の場所でした。
クマが下に降りていったことを確認してから山頂へ。無事に常念岳に登頂!
常念岳から三脵までの下山コース
常念岳から三脵までの下山コースが長かった〜!
コースタイムは4時間30分でしたが、私たちは休憩なども含めてコースタイム以上に時間がかかりましたので、余裕を持った行動を強くおすすめします。
標高差も1,500m程下ることになりますので十分な体力が必要です。大きな岩が多く歩きにくい斜度のある道が長く続き、トイレや水場もありません。
下の写真は避難小屋付近。
三股から常念岳へ登ってくる人とすれ違いましたが、かなり大変そうでした。自分だったら、体力的に心配なので、このルートの登りは選ばないかなと思いました。
安曇野側から常念岳に登るのであれば、一ノ沢登山口からが良さそうです。
下山コースの途中で、クマザサからカサカサ音がします。「え…!まさかまたクマ!?」と思ったら、お猿さんがたくさん隠れていました!良かったぁ…。
無事に下山、温泉に入って帰宅しました!
まとめ
今回は1泊2日で「三股駐車場→蝶ヶ岳→蝶ヶ岳ヒュッテ【泊】→常念岳→三股駐車場」のコースを歩きました。
2日目の行程は長いので、同じコースを歩く人はできるだけ朝早くに出発して、天気やコンディションに十分に注意する必要がありそうです。
今回は1日目の天気が雷雨となり最悪でしたが、2日目は素晴らしいお天気で、崩れる気配もありませんでした。日もまだ長かったので、安心して自分たちのペースでゆっくりと歩くことができました。
野生のクマは初めて見ました!ある程度距離があったので冷静でいられましたが、近かったら恐かったでしょうね。視界の開けたところで、クマに近づく前に発見できて、本当に良かったです。
今回見えていた山の展望「槍〜大キレット〜北穂〜涸沢」のルートは、昔歩いたことがあるので、あんなところを歩いたんだ…と感慨深い気持ちになりました。
今回の山行はいろいろなことがありましたが、久しぶりの北アルプスを満喫できて良かったです。秋にもう1度くらい北アルプス行きたいな。
▼蝶ヶ岳・常念岳地図
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