こんにちは、Mountain DCちか(@dc_mountain)です。
そろそろ冬が深まり、低山登山でも雪が心配な季節がやってきました。
降雪・残雪がある場合に、必ず用意しなければならないものが「軽アイゼン」ですが、近年ではより簡易的に使える「チェーンスパイク」が人気を集めています。
どちらも冬の低山で使うという用途が被っているので、軽アイゼンとチェーンスパイクどっちを購入しよう…と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?(私も実際かなり悩みました…)
この記事では、そんな悩み解決するために、両者の違いを比較しながらレビューします。アイゼン・チェーンスパイク購入前に参考にしてください!
コスパの良いネイチャーハイクのチェーンスパイクが人気です!
登山で軽アイゼン・チェーンスパイクの役割をおさらい
まずは、軽アイゼン・チェーンスパイクの役割をおさらいしましょう。
軽アイゼンとは、一般的に4本〜6本爪のアイゼンのことですが、より多目的に使える6本爪を選ぶのが一般的です。近年、この軽アイゼンのカテゴリーに新しく「チェーンスパイク」が加わりました。
アイゼンは、8本爪〜12本爪までありますが、高山の雪山に対応できる12本爪を選ぶのがおすすめです。
石井スポーツの資料を参考に、登る山の標高や難易度から、どのアイゼンを準備するべきかの目安をまとめました。
- 低山(標高目安1,500m)の初級:奥多摩・丹沢レベル
6本爪のアイゼン、チェーンスパイク - 低山(標高目安1,500m)の中級:雲取山レベル
6本爪のアイゼン - 中山(標高目安:1500-2500m)北八ヶ岳・天狗岳・谷川岳
10本爪のアイゼン、12本爪のアイゼン - 高山(標高目安:2500m〜)赤岳・北アルプスの山々
12本爪のアイゼン
この表だけで見ると、奥多摩や丹沢などの低山を登るだけであればチェーンスパイクでも事足りてしまうということがわかります。
しかし、上の表はあくまで目安、当日の積雪状況やコンディションによっても変わりますので注意が必要です。
軽アイゼンとチェーンスパイクの違い
では、軽いアイゼンとチェーンスパイクの違いはどのようなものでしょうか?比較しながらメリット・デメリットを見ていきましょう。
軽アイゼンの特徴
軽アイゼンの特徴は、靴の裏の爪が大きく、土踏まずの辺りにまとまって付いていることです。
爪が大きいので、やわらかい雪に刺さりやすく、新雪が降った後にも使えるというメリットがあります。
しかし、靴の裏の一部にした爪がついていないので、斜面に常に足をフラットに置かなければならず、慣れていないと歩きにくいというデメリットがあります。
また、装着はベルトで固定するのでホールド感がありますが、その分、着脱に時間がかかり面倒に感じられます。
チェーンスパイクの特徴
チェーンスパイクの特徴は、足の爪は小さいですが、足裏の広範囲にたくさんスパイクがついています。アイゼンのように独特な歩き方をしなくても、普段どおりの感覚で歩けます。
爪が小さいので、深雪・新雪では対応しきれないというデメリットがありますが、積雪の少ない硬めの雪道やカチカチに凍った岩場などではチェーンスパイクの方が使いやすいです。
また元々は平地を歩くように作られているので、急斜面が続くような登山には不向き。ゴムで固定されているので、負荷がかかると引っ張られて不安定になります。
ただし、急斜面が長時間続くような山でなければ、チェーンスパイクで対応可能です(低山登山では大丈夫)
装着はゴムを伸ばして靴にかぶせて履くタイプなので、靴下を履くように数秒で装着できます。何度も着脱が必要となる場面では非常に便利です。
冬の低山ではチェーンスパイクの利用頻度が高い!
冬の低山登山では、圧倒的にチェーンスパイクの方が利用頻度が高いです。
両方持っている人は、「購入したけど一度も軽アイゼン利用していない…」という声が非常に多いです。その理由を見ていきましょう。
冬の低山では降雪が多くないから
いくら積雪期の登山といえど、冬の低山では、登山口から山頂までずっと登山道が雪で埋まっていることは少ないです。
雪の上を歩く時間よりも、むしろアイスバーンになっている岩場や、踏み固められた雪道を通過する機会の方が多くなります。
ふかふかの新雪以外の凍結した登山道では、爪が小さいチェーンスパイクの方が歩きやすくて重宝されます。
着脱の頻度が高い
冬の低山では、アイゼン・チェーンスパイクの着脱の頻度が高くなります。
特にアイゼンは、雪のない登山道、岩場、木道などでは利用できず、そのような場面では一度外さなければなりません。そして雪が出てきた時にまた装着する…というのが面倒で、雪があるところでもギリギリまで我慢して付けなかったということになりかねません。
その点、チェーンスパイクであれば、岩場は付けっぱなしで大丈夫ですし、雪のない登山道・木道で外すのも簡単です。
お守りがわりにザックに忍ばせる
冬の低山では、「残雪はなさそうだけど念のため…」とお守りがわりにアイゼン・チェーンスパイクをザックに忍ばせておく機会が多くなります。
そんな時には、持ち運びのしやすいチェーンアイゼンの方がおすすめ。チェーンスパイクの方が軽くてコンパクトになるので、持ち運びにかさばらないというメリットがあります。
またどんな靴にもフィットする、汎用性の高さもポイントです。友人への貸し借りもしやすいですね。
急斜面の負荷は一時的
チェーンスパイクのデメリットは、深雪と急斜面です。
低山でもアプローチが長くて、斜度のある山はありますよね。ただ、急斜面の山を登る時でも、最初から最後までずっとアイゼンを利用するわけでばありませんので負荷は一時的です。
しかし、低山でも、どかっと大雪が降った後には「軽アイゼン」で対応できない場合があります。
近郊で想定以上の降雪があった後は、いくら6本爪アイゼンでも危険が高く、本格的なアイゼンを用意する必要があります。
雪山想定であれば12本爪を!
どか雪が降った後や新雪を歩きたい場合には、雪山登山に備えて本格的な12本爪のアイゼンを用意する必要があります。
6本爪のアイゼンだと前爪がついていない簡易タイプなので、森林限界を超えた硬い雪の斜面や、低山でも凍結した岩場などでは対応できません。
しっかりと足裏全体に爪がついている、10本爪以上のアイゼンが必要ですが、より汎用性の高い12本爪のアイゼンをおすすめします。
まとめ
冬の低山利用時における、軽アイゼンとチェーンスパイクの違い、使いやすさについてまとめました。いろいろな意見はあると思いますが、他の登山仲間の中でもチェーンスパイクの人気は高いです。
私の中での結論は、初めて購入するのであれば、汎用性の高い「チェーンスパイク」がおすすめ!しかし、深雪・新雪には対応できない部分もありますので注意が必要です。
もし完全に雪山想定で、チェーンスパイクだけでは機能に不安を感じるような山に登る時が来たら、「12本爪のアイゼン」を買い足すことをおすすめします。
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