こんにちは、Mountain DC ちか(@dc_mountain)です。
昨年の秋に、登山で一番出会いたくないヤツに出会ってしまいました。
北アルプスの常念岳稜線上の登山道を歩いている時に、「元気に走り回る黒いヤツがいるな〜なんだろう?」と思っていたら、まさかの熊でした(笑)
目撃情報もあったので警戒はしていましたが、まさか本当に出会うとは思っておらず、やっぱり怖いな〜と実感した次第です。
2021年度も熊の人身被害が絶えないですし、目撃情報も増えています。
できることなら出会いたくないですが…、特に一人で山に入る「ソロ登山者」は万全に対策しておきたいですよね。
そこで、登山で熊に出会わないために、また、出会ってしまった時に役立つ【熊対策方法&グッズ】を調べてまとめました。
私自身もソロ登山が多いので、しっかりと調べて、対策をしたい思います!!
熊に出会ってしまった体験談
私が熊に出会ったのは、蝶ヶ岳から常念岳へ縦走中、常念岳直下の稜線でした。
勢いよく走ってくる黒いヤツがいて、「こんな山の中に大きな犬かなんかいるのかな…?」と思ったら、熊だったんですよね。
元からだいぶ距離が離れていたのですが、やはりこっちに向かって走ってきた時には怖くなって、岩場に登って十分に距離をとって様子を見ました。
登山道間近まで熊が登ってきていたことには驚きましたし、稜線上の登山コースで写真を撮っていた登山者は、すぐ下まで近づいていた熊に全く気付いていなかったと言っていました。
常念岳ー蝶ヶ岳周辺は、熊の目撃情報が多数ありますが、今のところ人身被害はないそうです。
山の上で熊に出会うよりも、山にエサがなくて麓におりてきている熊に出会う方が、危険性は高くなるということは聞いたことがあります。
まさか熊に出会うと思っていなかったので、やはり驚きましたね〜。
熊の人身事故が多い季節は?
私が熊にばったり出会ったのは、9月上旬でした。
実りの秋ということもあり、山のブルーベリーや木苺が登山コース周辺にも多かったので、食べきていたのかな?と思っています。
熊の専門家による記事によると、熊による人身被害は、繁殖の時期である5月から6月末と、冬眠前の9月から10月に一番多くなるそうです。
初夏:5月から6月末
初夏は、山の中に入って山菜採りをする人間が多く、繁殖期で苛立ったオスの熊に対峙してしまうケースが多くなるそうえす。
食糧が乏しい時期でもあり、山菜は熊にとってもごちそう。繁殖期で緊張状態にある熊を刺激しないように注意が必要です。
秋:9月から10月末
秋は実りの季節ということもあり、熊にとっては冬眠前の体力をたくわえる重要な時期です。
特に、熊の餌となるブナの実(どんぐりなど)が不作の年は、エサを求めて人里に下りてきた熊と人間が遭遇しやすく、人身事故の危険度が高くなります。
山行中は、いつでも出会う可能性が!
上記の時期に人身事故が増える傾向があるようですが、山の中では季節ごとに住む場所を移動しているので、熊にいつどこで出会ってもおかしくはありません。
近年では、登る山域によっては、冬眠しない熊が生息している可能性もあり(暖冬の影響もあるようです)、冬だからといって安全とはいえないようです。
登山では、熊の生息地である山の中にお邪魔している立場なので、常に熊に出会わないように準備をしておく必要があるということですね。
熊と出会わないための対策方法
では、登山中に熊とばったり出会わないためにできる対策をまとめます。
熊の出没情報を事前にチェックする
まずは、登山計画と立てる際に、最新の登山道情報も必ずチェックしますよね。
その際に、熊情報(ニュース)もチェックして、出没情報が多発している山域には近づかないようにするのが安全です。
登る山の山域の市町村ホームページや、SNS等で情報をチェックできます。また、熊の人身被害などがあれば、事前にニュースになっていることもあります。
私の場合、事前に熊の出没が多い山域だったのにもかかわらず、何も準備せずに遭遇してしまい焦りました(泣)
熊情報があるにもかかわらず山に登る場合には、せめて単独行動はやめるか、熊鈴・熊スプレーなどの対策グッズを用意しておくことをおすすめします。
今の私だったら、熊の出没情報があれば警戒だけですが、人身被害のニュースがあれば登山中止します。
単独行動を避ける
熊は人間の気配を感じると、自ら逃げることがほとんどです。
そのため、熊が生息する山に出かけても、遭遇せずに帰ってこられることがほとんどです。
しかし、単独で登山をする場合には、基本的に話し声も立てずに静かに登るため、熊が人間の存在に気づかないことがあります。
そのため、いきなり現れた人間にばったり出会ってしまい、驚いた熊に襲われてしまう事故が発生します。
グループ山行であれば、ワイワイと会話しながら登ることが多いため、熊と出会ったり襲われる可能性も低くなります。
一人で行動する場合には、熊に自分の存在をアピールする(通りますよ〜と伝える)必要がありますね。
熊鈴を身につけよう!
特にソロ登山をする人は、熊鈴を身につけましょう!
熊鈴の中でも、遠くにいる熊に聞こえないような音(ガチャガチャ鳴るやつ)は意味がありませんので、教会の鐘のように「チリーン」と高く響く音の鈴が推奨されています。
しかし、常にチリンチリンいっていると煩いという意見もあるため(登山者同士のトラブルになります)、人が少ない場所をとおる時にのみ、鈴の音がなるように配慮しておくことをおすすめします。
▼音消し付きの熊鈴が便利!
熊と出会ってしまった場合は!?
熊と出会ってしまった場合には、基本的には、じっとしていることが一番のようです。その上で、熊が逃げ去ってくれるのを待ちます。
しかし、万が一の場合には「熊スプレー」が役に立ちますので、常備しておくことをおすすめします。
十分に距離がある場合は、そっと立ち去る
熊から距離があり、自分の存在に気付いていない場合には、そっとその場を立ち去ります。
基本的に、30~50メートルくらい離れていれば、まず追いかけられて襲われるということはないそうえす。
立ち尽くして、熊が逃げるのを待つ
山で熊を見つかってしまったら、背中を見せずにゆっくり後退りをすることとよく言われますよね。ただし気が動転している中で後退りすると、「転倒」の危険があります。
そんな時には、木の影に隠れて、立ち尽くすことが一番の防御方法になるようです(熊の専門家のインタビューより)
なぜなら、熊は人間を足頭胴で識別するため、まっすぐ立って入れば人間と気づかれないからだそうです。また、木を挟んでいれば、万が一突進されても木が防いてくれます。
一番のポイントは「ぜったいに後ろを向いて逃げないこと」だそう。
背を向けて逃げた瞬間に、熊が本能で追っかけてきてヤラレてしまいます(泣)
自分を大きく見せる
もう一つ効果的だといわれているのは、自分を大きく見せるという方法です。
熊は自分より大きな熊を怖がる習性があるので、両手を広げたり、リュックを振り回したり、自分をより大きく見せることで逃げてくれることがあるそうです。
以前、手に持っていた傘を広げたら、熊が崖から落ちたという話もあるようですよ。
熊が襲ってきたら「熊スプレー」
熊に見つかって様子を見ている間に、熊スプレーを準備しておきましょう。
そして万が一襲ってきた場合には、なるべく引き付けて(怖いですが最後の手段です…)、熊スプレーで「目・鼻」を狙って攻撃します。
こんな時のために、さっと取り出せる位置に熊スプレーを入れておき、一度は噴射の練習をしておくと安心です。
噴射するときに、風下にいるとスプレーが自分にかかってしまうなんてこともありますので、事前の練習が必要です(なかなか難しそう…)
▼熊スプレーが命を救う!
最悪の場合は「防御姿勢」で受け身
それでも熊を倒せなかった場合には、もう止められないので「防御姿勢」を取って、被害を最小限にする他ありません。
防御姿勢とは、首の後ろを手でガード、膝をまげてうつ伏せになり、顔と不首をガードします。背中はザックが守ってくれます。
下手に抵抗しようとすると、首などをやられて致命傷を負い、命を落としてしまいます。
致命傷を防ぐための最後の手段として「防御姿勢」を覚えておきましょう。
熊対策グッズまとめ
では、最後にクマ対策グッズをまとめて紹介します。
熊鈴のおすすめ!
熊鈴は、遠くまで響く音であること、音消し機能付きがおすすめです。
熊に金棒
ゴールドの熊の顔がデザインされたかわいい熊鈴です!音色もよく響き、便利な音消し機能付きです。
森の鈴
シンプルなデザインが好きな方はこちら。
遠くまで響く音が人気、ワンタッチ音消し機能も便利です。
カラーバリエーションも豊富なので、ぜひチェックしてみてください。
熊スプレーのおすすめ!
熊スプレーは、登山中に携帯するものなので軽量・コンパクト性が大事だと思っています。
お値段はけっこうお高いものが多いですが、一つは常備しておきたいですね。
有効射程距離は約5~6メートルで、熊が嫌がる(痛がる!?)唐辛子エキスが入っています。
熊撃退スプレー BEAR ATTACK
専用ホルスター付きなので、ハーネスなどに取り付けられて便利です。
カウンターアーソルト
こちらの方がやや安いですが、市販の熊よけスプレーでは最高クラスのパワーを誇ります。
まとめ:備えあれば憂いなし!
北アルプス登山中に熊に出会った経験から、熊対策の効果的な方法や、熊よけグッズをまとめました。
同じように登山をする人で熊対策グッズを探していた人に、少しでも山行になれば嬉しいです。
近年、さまざまな影響で、熊による人身被害は増えています。ニュースになる頻度も多いので、個体数自体が増えているのでは?という噂もありますよね。
今までは、積極的に熊対策してこなかったのですが、私自身もこの機会に、熊対策方法&装備を見直したいと思います。
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